世界が認める持続可能性 100選に三好市「かずら橋架け替え」
次回は2024年1月中旬―2月下旬に
持続可能な観光の国際的な認証団体グリーン・デスティネーションズが10月9日に発表した「世界の持続可能な観光地TOP100選」に徳島県三好市が選出された。日本から10件、四国から3件のうちの1つとして選ばれ、優良事例となったテーマは「3年に一度の祖谷のかずら橋架け替え」。地域の観光の顔のひとつは、地域の長く深い歴史を伝えるもの。未来に向け、今後も伝統を脈々と受け継いでいく。
祖谷のかずら橋は、重さ約6トンのシラクチカズラで作られた昔ながらの吊り橋。平家の落人がいつでも切り落とせるように天然素材を使ったという説もあり、地元に伝わる平家伝説とも相まって秘境・祖谷の存在感を際立たせるスポットとして年間30万人超の観光客が訪れる。日本三奇橋の一つ、国指定重要有形民俗文化財にも指定されている。
天然素材のため観光客の多さから劣化しやすく、3年に一度の架け替えは必須。かずら橋保勝会が3年ごとに架け替えが行っているが、シラクチカズラは年々調達が難しくなっており、森林管理署と「木の文化を支える森づくり協定」「祖谷の蔓橋シラクチカズラ資材確保協定」を締結。地域の子どもたちと植樹を行うなど持続可能な継承に向けた取り組みが評価され、今回の選出に至った。
次回の架け替えは2024年1月中旬―2月下旬の予定。長さ45メートル、幅2メートルもの大きさの伝統の吊り橋が生まれ変わる光景は過去と未来をつなぐ貴重な一場面。世界に認められた地域の活動をこの目に焼き付けたい。
三好市はほかにも持続可能な観光地域づくりを実施。地元事業者とサステナブルツーリズムの研修やガイド育成、ジビエや地元食材を活かした食の開発、旅行商品の開発などに取り組んでいる。
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