行きたいから「住みたい」へ 大歩危・祖谷いってみる会、20周年機に新基軸
まちづくりをより深耕
徳島県三好市の旅館ホテルで構成する大歩危・祖谷いってみる会(植田佳宏会長=ホテル祖谷温泉)が発足から20年を経過し、行きたいからプラス住みたい地域へブランディングの軸足を移し始めた。
同会は2000年、高知自動車道の開通により通過型観光地になるとの危機感から、大歩危祖谷地区の旅館ホテル5社で発足。各施設を売るのではなく「大歩危・祖谷」という地域全体を売ることに注力してきた。
プロモーションの基本は官民連携で、民間は客目線で戦略を立て、行政は予算を獲得するといったそれぞれの得意分野を生かして活動を行ってきた。結果、08年には観光庁から観光圏の認定を受け、にし阿波~剣山・吉野川観光圏の中核的役割を果たすようになった。
こうした一連の活動から、07年から19年にかけて約37倍にまで達した外国人観光客数の伸びを記録。大歩危・祖谷はインバンドの成功事例として全国に知られるようにまでなった。
また、この間には「ジャパン・ツーリズム・アワード2017」で第二席の優秀賞、同年の「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」では特別賞として「フレンドシップ賞」なども得た。
昨年12月に開いた20周年記念フォーラム「世界に通用する観光地域づくり~in三好市」の席上で、植田会長が「20年経って地域や取り巻く環境は大きく変わりました。いくら観光客が増えても第一線で働く人がいないと観光地としては成り立ちません。これからは訪れた人が『住みたい』と思ってもらえる地域づくりを進めたい」と提言。今後は人口減少を見据えて「行きたい」の先にある「住みたい」を考慮したブランド戦略を行う。
同会の20周年に対しては、三好市の高井早苗市長が「自社の利益より地域の発展のために国内外の観光客の誘致に取り組んでいただき、敬意を表したい」とエール。三好市観光特使を務めるタレントの大桃美代子さんが「たくさんある大歩危・祖谷の宝をどのように磨き発信していくことが大事」、全日空徳島支店の大山芳香支店長が「体験を通して地域の歴史や文化を学ぶニーズを求める個人客や外国人の誘致が重要」などと。今後の大歩危・祖谷いってみる会の活動に期待を込めた。
地元・三好市池田町出身で、四国ツーリズム創造機構の半井真司代表理事も大歩危・祖谷エリアは持続可能な観光地づくりに適したところ、と話していた。認識しています」と語った。
大歩危・祖谷いってみる会の大平修司事務局次長は「皆さんとより強く連携し、次の20年をつくっていきたい」と決意を明らかにした。
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