山里で学ぶ実践SDGs そらの郷
「日本の原風景」で持続可能の本質を知る
にし阿波エリアの地域活性化に取り組む一般社団法人そらの郷では、地域の個性・風土を体験型教育旅行商品ブランド「そらの郷山里物語」として設定している。徳島県西部の三好市と東みよし町、美馬市、つるぎ町では、そびえる霊峰・剣山と悠々と流れる吉野川が形成する奥深い自然と共生しながら独特の文化、伝承、風景を育んできた。その暮らしと風土を体感することはまさにSDGsの実践。「日本の原風景」で持続可能の本質を知る―。
「そらの郷山里物語」は、ESD推進拠点に登録されており、本物の農山村の暮らしの中で多彩な体験プログラムを提供。事前学習から民泊、フィールドワーク、ディスカッション、事後学習の流れを通じ、学びを深める。
標高500―800メートルの山の急斜面に張り付くように広がる山間部の集落は、昔ながらの家屋が点在し、伝統的な農業が今も行われている。地域は国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定され、1千年以上も伝承される傾斜地のまま耕す農法「傾斜地農耕システム」は日本農業遺産に。持続可能な取り組みの実際がここにはある。
「日本一の田舎暮らし体験」は、農家の手伝いや生活体験。自然と共生し、山の暮らしの知恵を家人との交流で学ぶ。
急傾斜地での伝統農法の体験では野菜や果樹の収穫から出荷作業、田植え、稲刈り、田畑の手入れ、特産の茶摘みなど多岐にわたる。そのほか林業や竹細工、そば打ち・うどん打ち、伝統工芸など地域文化に触れる体験や、そば米雑炊や「でこまわし」「ひらら焼き」といったここだけの食文化、地域の人との交流は、にし阿波での暮らしそのものだ。
フィールドワークでは産業の構造転換と地域づくりの現場を体感。傾斜地農耕の知恵、雑穀栽培の復活と在来種の保存による地域づくりを学び、集落に伝わる習俗の保全や観光活性化を考える。
自然環境を楽しむアウトドア体験もプログラムのひとつ。世界有数のラフティングコースである吉野川で自然との触れ合い、チームワークなど皆で味わう達成感も得られる。カヌーやカヤック、川遊び、キャンプも。
西日本第2の高峰・剣山での登山は登山口から登山道の中央付近までリフトが設置されており、挑戦する間口が広い。
三好市の秘境・大歩危小歩危も舟下り、ラフティングの名所。平家伝承、かずらで編んだ「祖谷のかずら橋」を歩けばそれだけでこの地の風土を味わうことになる。
宿泊は県を代表する宿泊拠点である大歩危・祖谷温泉郷の旅館ホテル。登山客は剣山周辺で。
詳しくはhttps://nishi-awa.jp/soranosato/、問い合わせは電話0883―76―0713。
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