維新節目で「幕末明治福井150年博」開催 9月22日からいよいよメーン展示始まる
国宝や重文を公開 貴重な龍馬書簡も
今年は明治維新から150年。歴史の転換点が節目を迎え、その舞台となったゆかりの各地では様々なイベントが催され、いずれも活況を呈している。
福井県も多くの先人たちが活躍した明治維新の主要舞台のひとつ。3月から「幕末明治福井150年博」が県内全域で開かれ、福井と維新の関係を紹介、地域の歴史観光を促している。9月22日からはメーン会場の福井県立歴史博物館と福井市立郷土歴史博物館でメーン展示がスタート。11月30日のエンディングへ向かい、盛り上がりは最高潮に達する。
同博ではメーン会場の両館を中心に、幕末から明治にかけて活躍した福井藩主の松平春嶽や福井藩士の橋本左内、由利公正や、梅田雲浜、内山良休といった新国家設立にかかわった地元の先人にまつわる本物の書状など貴重な資料を展示。県内各地には33の地域会場を設け、先人の足跡や当時の産業、文化をテーマにした企画展を開き、地域の魅力を発信するイベントを行い、福井ならではの歴史紀行を提案している。
福井県立歴史博物館では9月22日―11月4日、いよいよ同博のメーン展示といえる特別展「幕末維新の激動と福井」が開かれる。倒幕、佐幕の2派に分かれた幕末期にあって「公儀」を掲げ、独自の立場を貫いた福井藩を中心に、維新を振り返る。
展示は国宝や国重文、そして初公開のものなど貴重な資料が並ぶ。松平春嶽が徳川家も国政に関わるべきと討幕派と激論する様子を描いた島津家文書・岩倉具視伝記絵図「小御所会議之図」や、国内初公開の「安政年間酒井忠義へ賜膳之図」などの国宝、橋本左内処罰の付け札に注目の「安政大獄処罰案」などの重文は、福井藩の当時の動きを示すものとして必見だ。
なかでも注目は、坂本龍馬が福井藩士・村田氏寿にあてた書簡。龍馬が薩摩藩士に同行して関東へ下ることを知らせたもので、龍馬の花押が記されている原本としては全国唯一のものという。そのほか、橋本左内の紋服なども初公開。
福井市立郷土歴史博物館では9月22日―11月4日、秋季特別展「皇室と越前松平家の名宝︱明治美術のきらめき」を開催。現代の宮内庁の役割で明治天皇を支えた越前松平家と皇室のつながりを、明治天皇の召し物や皇室からの拝領品などの展示を通して振り返る。また、帝室技芸員の美術工芸品も展示し、明治期の美術工芸の美にも迫る。
そのほか、福井県立美術館では、「幕末明治のアートシーン」と題した同博記念展を9月22日―11月1日に。歴史人物画の第一人者といわれる島田墨仙など幕末から近代の福井ゆかりの作家の作品を展示する。
同博では、福井の歴史を体感できる企画を展開。インターネット検定「幕末明治ふくい検定」の第2回を10月1―30日に実施するほか、創業150年以上の県内の老舗店舗をめぐる冊子を各市町の観光協会で配布している。11月末の同博終了までは、福井市の養浩館などを舞台にした「幕末の地を巡る謎解きクイズラリー」も実施している。
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