「DEEP SHIKOKU」発信 香川、徳島、高知の5地域が連携
「DEEP SHIKOKU」を旗頭に、四国中央部で県境を越えた広域観光の取り組みが進められている。徳島県三好市と香川県琴平町、三豊市、高知県中芸地域という従来の枠組みに9月、高知県土佐れいほく地域が参画。より広域に、より深い連携で地域ブランディングを図り、瀬戸内海から四国山地をまたぎ、太平洋へ抜ける"四国の真ん中"エリアで"四国の深淵"に迫る旅を提案する。
瀬戸内~四国山地~太平洋 多様な景観、体験、食を発信
三好市と琴平町は比較的距離も近い宿泊観光地であり、両市町の観光協会が2018年に観光推進協定を締結。以降、共同で観光推進を展開してきた。さらに広域な観光周遊・滞在エリアとしての魅力創出を図ろうという意図に昨年、三豊市と中芸地域が呼応。これに9月の会合で土佐れいほく観光協議会が新たなメンバーに加わった。
“四国の深淵”ともいえる地で海、伝統、自然、暮らしといった各地域での多様な体験の連続で「深く」「長く」「多彩に」旅を楽しんでもらうというのがコンセプト。点から線、面の観光へと変化させ、滞在型観光地として地域経済への波及効果をねらう。
北から、三豊市は瀬戸内海と讃岐山脈の自然の中、日本のウユニ塩湖こと父母ヶ浜など名所が豊富。琴平町は金刀比羅宮とこんぴら温泉郷を擁する香川県を代表する宿泊拠点として名を馳せる。四国山地の奥深い地、三好市は祖谷のかずら橋や大歩危峡、日本の原風景といえる秘境としてインバウンドにも人気。土佐れいほく地域は清流・吉野川を中心に美観と伝統、食の魅力あふれる高知県4町村からなる。高知県東部5町村の中芸地域は海山川の食、かつて西日本最大の森林鉄道が走った歴史など固有の魅力が輝く。北から南へエリアを駆けるだけで異なる個性、食、体験など多彩な楽しみ方が見つけられる。

三豊市の紫雲出山の桜

琴平町の金刀比羅宮

日本の原風景、祖谷渓の小便小僧

中芸地域の森林ガイド

土佐れいほく地域のカヌー体験
観光ルート、着地型商品を開発し、新たな観光エリアとしてインバウンドをはじめ観光誘客を推進しようと取り組みを展開。昨年は瀬戸内海から太平洋へとたどるルートを中部・名古屋の「昇龍道」にならい「四国龍下南道」と名付け、インバウンド、特に宿泊日数が長く消費額も大きい台湾からの旅行者をターゲットに観光商品開発事業を観光庁の地域観光新発見事業の採択を受けて実施した。秘境や四国のディープな旅を台湾・日本の旅行会社が連携して商品造成から集客、手配まで一貫した流れを構築、持続的な来訪につなげようというものだ。
また、エリア内各地のイベントに参加して交流を図ったほか、海外のブロガーや旅行会社向けモニターツアー、多言語パンフレットの制作、情報発信にも注力。台湾を対象にオンラインと現地で商品説明会、台北で旅行会社を訪問するなど積極的なアピールも行った。台湾を皮切りにアジア各国や欧米豪への展開も視野に入れる。

台湾の旅行会社を訪問しセールスする
5地域の関係者
連携により滞在日数の延伸や体験観光の参加率アップ、住民と観光客の交流などを目標に掲げるが、課題も見えてきた。他地域同様に公共交通の接続や外国語案内の不足はやはり大きく、キャッシュレス対応や情報発信の一元化といった観光DXへの取り組み、人材育成は急務といえる。これらの克服にあたりながら「四国らしさ」を自然体で伝える旅―を実現しようと連携深化をさらに進めていく考えだ。
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