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20年先の小豆島をつくる―交通開発や観光DX推進 JTBとタッグ

持続可能な観光地へ歩み

香川県小豆島とJTB(山北栄二郎社長)がタッグを組み、展開する「20年先の小豆島をつくるプロジェクト」が活発な動きをみせている。交通開発や観光DXなど小豆島が抱える課題に対し、連携して事業を実施。将来を見据え、持続可能な観光地として活性化を図れるよう着々と歩みを進めている。

同社では2024年、自治体や企業ら地元との連携で観光地としての実感価値向上と持続可能な発展を目指す「エリア開発事業」を開始。持続可能な観光地づくりを図る上でスタート地点として、観光スポットの豊富さやSDGsの取り組み、現状の課題から小豆島が選ばれた。観光を基盤に持続可能な産業を作ることを目的に「20年先の小豆島をつくるプロジェクト」を発足させ、小豆島2町と伴走、小豆島の活性化へ取り組みを進めてきた。

第1弾プロジェクトは24年8月にシェアサイクル事業を実施。アプリを使って島内の駐輪スペースにIoT搭載のシェアサイクル専用の最新型電動アシスト自転車を導入、自由に貸し借りできるようにした。

第2弾は同9月に自動運転バスの走行実証を土庄町で実施。15人乗り電気バス「Minibus」を使って土庄港高速艇ターミナル―エンジェルロード公園間を自動制御でドライバーを支援して自動運転を行った。将来的な完全自動運転での走行を見据えている。

同11月には小豆島町でAIによる自律運航無人ボートの導入に向けた実証を実施。今年3―5月には寒霞渓で日本初のドローンを使った自動無人空撮とAIによる動画自動編集サービス「SKYPIX」の実証を行い、8月には正式にサービスを開始した。

寒霞渓

ドローンを使った動画自動編集サービスが
行われている寒霞渓

同じく8月、観光DXへの取り組みを本格化。手ぶらでの観光を実現しようと生体認証技術を使った実証実験を大手電器メーカー日立も参画して開始した。観光の利便性向上に加え、参画事業者の業務効率化も図るという一挙両得のサービス展開を目指す。10月末までの期間、顔認証と移動履歴の取得を行う電子チケットサービス「テブライドパス」を導入。スマートフォンを使って顔認証と決済、交通や施設、買い物利用をスムーズに行えるものだ。

そのほか、今年1月には小豆島町とJTBの間で地域活性化起業人制度を活用した人材派遣協定を締結。同社から現地への出向を通して「20年先の小豆島をつくるプロジェクト」の推進やSTEAM教育の普及による担い手の育成、若年層に対して経営やビジネスの実践の機会の創出に取り組むなど連携の強度を強め、島の未来を描く取り組みを進めている。

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【琴平】
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