山代の歴史文化と自然―風土に親しめる新拠点 萬松園あいうえおの杜/山代
「あいうえお発祥の地」のシンボルに
山代温泉に新施設「萬松園あいうえおの杜」が8月オープンした。薬王院温泉寺の初代住職を務め、50音図の原型を創作した明覚上人ゆかりの地にある山代の歴史文化、自然、風土に親しめる拠点施設。観光客が来たくなる山代に欠かせないスポットに育ちつつある。
同施設は、明覚上人ゆかりの地の公園「萬松園」を再整備。山代温泉観光協会が2023年9月に発表した観光まちづくりの指針「山代温泉中期ビジョン計画2023―2030」で中心に据えた「あいうえおの郷」構想―萬松園公園整備事業と「明覚上人とあいうえお」を具現化した施設になる。オープン以来、順調に来園者が増え、11月30日には早くも5万人を突破。期待に違わぬ人気を集めている。
全体の広さは3万7200平方㍍、高低差50㍍という立体的な自然空間。拠点施設として木造2階建ての「あいうえお学舎」を設置。木のぬくもりあふれる空間で、カフェ・物販・休憩所、木遊具遊戯コーナーや「あいうえお発祥の地・山代」が学べるギャラリーを配置した。
あいうえお学舎と接続し整備された全長360㍍の能登ヒバを使った木道「あいうえお空中回廊」は公園のシンボル的施設。温泉街や福井県境の山並みを一望、人工ミストで雲海も演出し天空を散策しているかのような非日常の体験が楽しめる。人工ミスト「もりの雲海」は、毎日9時ちょうどの定刻から17時まで計9回行われる。ミストは15分間見られる。

人工ミストで現れる雲海体験も人気
屋外の「やがい広場」には芝生が広がり、ツリーハウスやアスレチック遊具を配置したほか、コテージやRVパークも設け“泊まれる公園”としての機能も備えている。
公園内外には展望塔「栄螺堂(さざえどう)」や「あいうえおの小径」、明覚上人の「五輪塔」なども。なかでも栄螺堂はサザエを伏せたようなユニークな形状を持ち、内部にらせん状の階段設備がある仏堂で、展望所からの眺望が良く、あいうえをの杜のクライマックス的存在。
今後は一帯で山代の歴史、自然、「あいうえおの郷」を感じられる地として住民、観光客がつながる公園として存在感を高めていく。
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