アジフライの聖地巡礼 松浦市内35店舗を食べ歩こう
豊かな漁場と憲章が味の証
国内有数のアジ水揚げ量を誇る松浦市は、それまで新鮮な刺身を全面的にアピールしてきたが、視点を変えてあえてアジフライで提供してはどうか、と友田市長が提案。2019年から「アジフライの聖地 松浦」プロジェクトが始まった。
そこから市内の各店舗と提携。松浦市や周辺で獲れたアジを使用する、刺身レベルの鮮度を確保することなど8つの条文からなる「松浦アジフライ憲章」を定めた。憲章に参画するのは当初の20店舗から現在は35店舗にまで広がっている。
関係者は「松浦市はアジの漁場が近く、年中新鮮なアジを提供できます。市内の店ではそれぞれが独自にこだわり、魚の加工やパン粉にちょっとした工夫を凝らし、店ごとに少し違った味を提供しています」と胸を張る。
松浦の各店で出されるアジフライがなぜ美味しいのか。一つは憲章に則った「聖地品質」を徹底しているから。もう一つは漁場に特徴がある。
松浦で揚がるアジは、回遊性のものと居着きの2種類があり、回遊性は施網漁法で大量に捕獲、居着きは釣りや定置網で獲る。どちらを扱うかは店主の判断だという。
しかも4―8月に五島沖から対馬海域で漁獲した100トン以上のマアジは、松浦で水揚げされるとブランド魚「旬アジ(ときあじ)」とされる。
これらのアジを調理人の目利きと腕でフライにするのだから食通も頷かずにいられない。
新鮮なアジをそのままノンフローズンで、あるいは一晩寝かせたワンフローズンで提供するかも店主の差配次第。タルタルかウスターソース、塩、醤油、これを選択するのも店のこだわり。他ではなかなか味わえない肉厚のアジフライを求めて、市内35店舗の個性を堪能するのも松浦の旅の楽しみ。
市内には松浦アジフライのユニークなモニュメントが5カ所あるほか、アジフライマップやグッズなども作られている。アジフライの聖地巡礼を満喫しよう。
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