タヌキがまちのシンボル 阿波川口駅前に壁画誕生
「好まれる妖怪」 タヌキ伝承の郷をアピール
徳島県三好市山城町は多くの妖怪伝説が残る「妖怪村」として近年、まちおこしを展開している。なかでもJR阿波川口駅周辺は「タヌキ」にまつわる伝説が伝承。地域の宝として次世代に伝え続けようと、住民主体で様々な企画を展開している。9月には駅舎隣の三好市商工会館にタヌキの大型壁画が誕生。まちの新たなシンボルとして注目を集めている。
同町では、村人が悪さをしたら「タヌキに化かされた」ということにして大切な仲間として許し、助け合う文化が古くから伝わるなど、タヌキは忌避されるのではなく、むしろ好まれる存在として親しまれてきた。
そんな地域文化を誇り語り継ごうと、住民による「やましろ狸な会」がタヌキ伝承をモチーフにした数々の企画を実施。住民主体で2015年からはイベント「やましろ狸まつり」、17年からは観光列車のもてなしなどを行ってきた。「四国まんなか千年ものがたり」で訪れると手厚い歓迎が待っている。
駅舎の装飾も一環。駅舎は「汽車狸」のモニュメントという目をひくもので、駅舎内では「タヌキ駅長」の人形、駅前広場には「狸小屋」、散策マップの看板など駅全体でタヌキ伝承の郷をアピールしている。
今回、三好市商工会館に描かれた大型壁画は同会と三好市商工会が連携して作成。伝説の大ダヌキのバックに地元の観光名所である祖谷のかずら橋や大歩危峡、ラフティング、塩塚高原が描かれている。建物の反対側にもタヌキが何匹も隠れているという工夫を凝らした。
10月1日にはJR四国の半井真司会長や高井美穂・三好市長らを招いて壁画完成記念セレモニーを開催。まちの新シンボルの誕生を祝った。
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