ウイズコロナの四国観光は— サスティナブルな四国へ/植田佳宏さん(大歩危・祖谷いってみる会会長)
緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が全面解除され、ウィズコロナの気運が高まりつつある中、四国四県の観光関係団体を代表して5人の方々に(1)コロナ禍で現在考えていること(2)四国DCに対する思い(3)国や行政に望むこと(4)観光客へ最も訴えたいこと(5)今後、観光業界はどのように変化していくと思うか―の5項目について伺った。
「住んでよし 訪れてよし」 地域が観光の主役に
(1)コロナ禍のなか当会は昨年20周年を迎えました。国内プロモーションから始まり、さらにはインバウンドプロモーションまで行い、一定の成果はありました。
それを踏まえてコロナ禍のなかで今思うことは、地域課題の洗い出しを行い▽次世代への承継▽インバウンドへ傾斜しすぎて国内(特に近隣県)の重要性▽新たな切り口の発掘を実践すべきだということです。
前へ前へとやってきたことを少し立ち止まり、普段では見えなかったことを考え、見つける時間が今だと思っています。
(2)四国DCが始まるころには感染状況が落ち着いていることを期待します。DCがこの時期に四国でスタートすることは大きなチャンスであり、また2022年4月からはJTBのキャンペーンも始まります。秋から来年に連続して行われるキャンペーンは、大きなチャンスをいただいていると思っています。
全国のストレスをためたお客様が癒しの四国に来ていただき、心を清めていただきたいですね。
(3)国に対しては1日も早いGo Toトラベルキャンペーンを開始してほしい。観光施設は大きな借り入れを余儀なくされており、返済が始まる3年後への負担軽減をお願いしたいと思います。
地方の自治体についても疲弊した観光、交通、サービス業などに対しての需要喚起策も併せてお願いしたいです。
(4)感染状況が収まってきたら、安心して四国に来ていただきたい。四国は巡礼の地であり、できるだけ時間をかけて四国四県をまわって、コロナ禍で過ごした日々を忘れられる情景を見て、四国ならではの食事をめしあがっていただきたいと思います。おせったいの心で四国の観光地はお待ちしております。
(5)コロナは自然界による人間に対する警鐘でもあると感じています。乱開発や景観破壊、経済優先など人間社会が行ってきたことに対する反省が求められる時代になったのではないでしょうか。
観光業界も持続可能な地域を目指していくことが責務となり、特に海外からのお客様はサスティナブルな場所を評価する時代になっていくでしょう。「住んでよし 訪れてよし」を真剣に考える地域がこれからの観光の主役になれると思います。
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