ウイズコロナの四国観光は— 滞在型へ商品力、訴求力向上/河内広志さん(道後温泉旅館組合副理事長)
緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が全面解除され、ウィズコロナの気運が高まりつつある中、四国四県の観光関係団体を代表して5人の方々に(1)コロナ禍で現在考えていること(2)四国DCに対する思い(3)国や行政に望むこと(4)観光客へ最も訴えたいこと(5)今後、観光業界はどのように変化していくと思うか―の5項目について伺った。
雇用創出と地域経済をけん引
(1)感染者数が大幅に減少してまいりましたが、まだまだ予断を許さない状況にあります。ワクチン接種と軽症・中等症患者向けの治療法「抗体カクテル療法」の効果が注目を集めるなかで、私どもといたしましても、様々なワクチン接種応援キャンペーンを展開してまいりました。
現在では道後エリア初の取り組みとして、医療従事者への寄付金付きワクチン宿泊プランや従業員への職域接種と定期的な抗原検査などに取り組んでいますが、まずは希望するすべての人がワクチン接種を終えられるよう、私どもにできることを探して取り組んでいます。
(2)全国的に感染が拡大し、多くのエリアに緊急事態宣言やまん延防止等措置が適用されるなかで、プレDCへの準備が進められました。こうした状況下でしたので、お客様のご予約や地域の盛り上がりからすると実感は湧きません。しかしながら関係者のご尽力により、魅力あるコンテンツも整備され、情報発信されていますので、それらを活用させていただきながら、滞在型プランの商品力、訴求力の向上につなげていきたいと考えています。
(3)観光業に携わる皆さまと同様、手厚い保障と経済対策の早期具体化を望みます。特に宿泊施設の安全性は明確かと思いますし、現在、事務局による総点検も行われています。旅行そのものは決して感染リスクが高くないというエビデンスを示し、アピールしていただくとともに、昨年の規模を上回るニューGo Toトラベルキャンペーンが一刻も早くスタートしていただけるよう、切に願います。
また人口密集地から距離のある四国においては、県や四国エリア内でのキャンペーンでは効果が限定的です。飛行機、新幹線、船、バス、宿泊施設などの安全性を周知し、全国広域的なキャンペーンの展開を強く望みます。実施後、仮に感染が拡大した場合、Go Toトラベルキャンペーンや旅行そのものが原因なのかどうか、しっかりと分析した上で、方針をお示しいただきたいと思います。
(4)観光客の皆さまにはこれまでも感染予防対策には十分ご留意され、検温、消毒、マスクの着用、ソーシャルディスタンスなどにご協力をいただいております。これから秋の行楽シーズンや年末年始を迎えます。ワクチンも普及し感染者数も減少傾向にありますが、昨年の悲劇を繰り返さないよう決して油断せず、高い意識を持って予防対策への行動を継続していただくよう願います。
(5)宿泊業は第一次産業をはじめ、すそ野の広い分野の事業者と関わりながら、地域経済をけん引し、雇用の創出と地域の発展に貢献してまいりました。
団体旅行、海外からのインバウンド需要の回復の兆しが見えません。特に大規模旅館は容易にビジネスモデルを転換することが困難なところもあるので、厳しい経営状況がまだまだ続きます。
旅行自粛など旅行が制限されるなかで、旅行需要は伸びず、旅行に出かけるとしても「少人数」「公共交通機関ではなくマイカーで行ける範囲の近場」「自然豊かなところ」といった傾向が強まり、一般化しています。旅行会社や交通事業者の回復もまだ先にあり、これまでの旅行会社、交通事業者、宿泊施設の関係も様変わりしてくると思います。
私どもはバス事業と旅行業にも着手いたしましたので、宿泊事業とのトリプルシナジー効果を発揮しながら、道後エリアを拠点とした新たなビジネスモデルの構築に挑んでまいります。
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