フォトジェニック安来(2) 「御城印」が好評―月山富田城跡
城跡観光の記念に 安田要害山にも注目
戦国時代前期に活躍した尼子氏ゆかりの安来市には、兵(つわもの)どもが描いた夢の跡が点在する。代表格が、山陰を代表する山城で日本100名城にも選ばれている月山富田城跡。史跡公園としても整備が進むなか、話題を集めるのが来城記念の「御城印(ごじょういん)」だ。
御城印は今、若者にも人気の御朱印にヒントを得て企画。地元伝統工芸品の広瀬和紙を使い「富田城」の筆文字と尼子氏、吉川氏、堀尾氏と歴代城主の家紋、尼子の忠臣かつ名将の山中鹿介のシルエットをあしらった。
2018年9月に安来市で開催された全国山城サミット安来大会でも販売され、観光客はもちろん、月山富田城が陥落しなかったため受験生のお守りとしても話題になり1千枚以上も売れた。
月山富田城ゆかりの富田八幡宮の祈祷済みで、市立歴史資料館と広瀬絣センターで販売。1枚300円。
19年春以降は、松江城や米子城でも御城印が発売されたことから、3市連携の「御城印帳」もお目見えする予定だ。
もう一つ、安来市内で注目を集め始めた山城跡が安田要害山。月山富田城を守る防衛線として城砦化され、尼子十砦の一つに数えられていた。
登山道は昨年整備され、広葉樹の中続く登山道の道端には石仏が点在。一体一体表情が異なる石仏を拝みながら標高281・2メートルの山頂を目指す。高い山ではないが眺望が素晴らしい。
圧巻は、眼下の田園や町並み越しに、雄大に山裾を広げた中国地方最高峰の大山(出雲富士/伯耆富士)。山に登った地元の人ですら「大山を眺める随一のスポットかもしれない」と評するほどだ。
国引き神話で知られる弓ヶ浜半島や中海も美しい。フォトジェニックな山城跡だ。
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