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「島旅」次の一手 小豆島2町長、かく語りき(2) 松本篤・小豆島町長

石の文化、島の食を前面に

−瀬戸芸の開催もあり多くの観光客が訪れていますが、どう捉えておられますか。

松本 インバウンドの対応は大事で、それぞれしっかりと取り組んでおられると思っています。ただバランスを考えますと、もう少し国内観光客の方々にお越しいただけるような取り組みも行いたいと思っています。

−「知ってる!?〜悠久の時が流れる石の島 海を越え、日本の礎を築いた せとうち備讃諸島〜」が日本遺産に認定されましたね。

松本 備讃諸島の景観はすばらしく、かつては「ヒト」「モノ」「コト」が行き来していました。この景観を船でめぐり、多くの日本人のこの美しさを知っていただく国内旅行の活性化につなぐことはできないものか、と考えています。外国人にも必ず支持されると思います。

また、小豆島では大坂城の残念石などが有名ですが、備讃諸島の石は、日本の建築文化を支え続けた石であることを知ってほしい。日本の近代化が進んだ明治後期から昭和初期にかけて、日本銀行本店本館のほか東京駅丸ノ内本屋、明治生命館、日本橋など日本を代表する近代洋風建築には瀬戸内の島々、とりわけ備讃諸島で生まれた花こう岩が使われているんですね。

松本篤・小豆島町長

松本篤・小豆島町長

−小豆島を訪れる観光客は小豆島に泊まらず、高松に泊まる人たちが多いとお聞きしますが。

松本 小豆島に必然的に泊まらないといけない仕掛けが必要ではないでしょうか。二十四の瞳映画村でも行いましたが、夜の観光にもっと取り組まないとだめだと思います。行政主体ではできないので、宿泊事業者の人たちにお考えいただき、我々行政はそれを支援できる態勢を整えることができればいいですね。

宿泊事業者が取り組まれることなので行政がとやかくは言えませんが、料理にしてもどこの温泉地や観光地でも食べることができるものを出すのではなく、瀬戸内の地魚や小魚、ここでしか食べることのできない新鮮な素材を出せば、料理面での魅力も出てきます。

石の文化や小豆島の食材については、小豆島に住んでおられる島民の方々が誇りを持って自慢できるようになることも大事なことなので、全国に知られるオリーブや佃煮といった地場の素材も前面に出して、島民あげて観光客をお迎えできるようになれば最高だと思っています。

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