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「ほっと滋賀色」“あなた色”あります(1) 焼き物に恋をする−信楽で一日陶芸家体験

焼き物のまち、陶芸のまちとして知られる甲賀市信楽町。とりわけ信楽狸として全国的に有名な狸の焼き物は、ほとんどが信楽で生産されている。2017年には文化庁が、信楽焼、備前焼、瀬戸焼など、6つの焼き物の里を「きっと恋する六古窯 日本生まれ日本育ちのやきものの産地」として日本遺産に認定。焼き物だけでなく、その土地の風景や文化、生活スタイルまで深く体感する陶芸ツーリズムとして、訪問を推奨している。信楽で陶芸体験を通じ、土、色、職人、工法、器に載せる食まで体感してみたい。

信楽狸

信楽焼の代名詞とも言える全国区の「信楽狸」

日本遺産・六古窯を知る

信楽では、気軽に陶芸を観賞・購入できるのはもちろん、ドラマの気分に浸り、作陶体験することも可能だ。信楽観光協会のウェブサイトでも、各施設や窯元の特徴、提供している体験内容、予約方法などを紹介している。

信楽焼の登り窯

多くの作品を生み出してきた信楽焼の登り窯

「滋賀県立陶芸の森」は、焼き物の創造、研修、展示、販売など多様な機能を持ち、人々が気軽に集まれる自然豊かな公園に集約。人、物、情報の交流を生み、そこから地域産業の振興や新しい文化創造の場となっている。広大な敷地には大きく分けて、陶芸の美術館である陶芸館、信楽産業展示館、創作研修館、屋外展示作品群の広場の大きく4つのエリアに分かれている。

陶芸体験は、産業展示館創作室で行っている。子ども向け、親子向けに力を入れ、特別講座「子どもやきものシリーズ」を年間9回開いている。

今年度は女流陶芸家の草分け的存在である神山清子さんの工房を訪ね、信楽の伝統的な薪を使う穴窯を見学し、アイデア満載の技を使って楽しみながら器づくりをする。

秋2回、春1回の講座が「お団子ねんどからお皿ができる!」(10月6日)、「粘土の板からカップをつくろう!」(10月20日)、「筆で動物の絵を描いてみよう!」(2020年3月14日)が開催される。定員30人で、参加費は大学生まで1200円、大人1800円。

大人向けは「しがらき学のススメ」として、産業展示館でテーマを変え定期開催している。参加者を募集中なのは▽信楽大壺をつくる(9月28、29日)▽ラク焼茶碗をつくる(10月5日)▽陶芸館特別展「北大路魯山人古典復興」関連事業 信楽水指、茶碗をつくる(10月27日)▽信楽大壺をつくる(11月9、10日)など。そのほか、酒器や干支の動物、ミニ窯をつくる体験などがある。いずれも有料で、料金と定員は講座により15−20人程度、料金は5千円程度から。

「谷寛窯」は、大きな瓦屋根の建物と赤煉瓦の煙突がシンボル。明治時代の師範学校の講堂を移築した中に、工房とギャラリーがあり、ギャラリーは、昔使われていた重油窯を再利用している。ギャラリー1階には、主に3代目当主、谷井芳山の作品を展示。2階は陶芸作家のセレクトショップで「陶器のある暮らし」を提案する。今ではたいへん貴重な「穴窯」による作陶体験もできる。詳細はHPへ。

「大小屋」は、陶芸の森に隣接。女性陶芸家、神山さんが参画し9月中旬から3月にかけ、登り窯への作品の窯詰め、焼成、窯出しを3−4回行い、見学できる。ろくろ、手びねり、絵付けなど、自由に手軽に陶芸体験ができ、陶芸と食事をセットにしたプランもある。近江牛など地元の食材が自分で選んだ器で出される。

まさに土、窯、職人、器、食と陶芸ツーリズムの醍醐味を体験できる。車いすのままでの陶芸体験などバリアフリーにも配慮しており、施設にはドッグランも併設、信楽焼でペットランチを提供する。

陶芸体験は40−60分程度。陶芸教室とカフェ・レストランでの近江牛メニューとコーヒーがセットになった食事は3千円程度から。

「宗陶苑」は、江戸年間に築かれた登り窯が今も現役で、数多くの作品を生み続けている。陶芸体験では、信楽狸を作れる。経験豊富なスタッフが分かりやすく指導するから、誰でも簡単。狸の表情や形を自由にアレンジしオリジナルの信楽狸に。作品は登り窯にて焼き上げる。1日2回行っている。約2時間で料金は2750円。

そのほかの陶芸体験は基本的に1日3回(10時20分から、13時から、14時30分から)。所要時間は約1時間30分と長め。登り窯焼成の場合、料金は2200円。

信楽狸づくり、陶芸体験とも、当日も含め事前の予約が必要。

「陶珍館(とんちんかん)」は、信楽焼の生活雑貨や前衛芸術作品の販売、陶芸体験、食堂を備え、姉妹館の狸家分福には足湯もある。陶芸体験は予約不要で、初心者、小さな子ども、飛び入りも大歓迎。45人程度が一度に体験できる。時間は9−16時まで。手びねりは1500円、電動ロクロコースは約1時間4千円。陶芸は、定番色に加えスカーレット風の色でも仕上げができる。ビー玉を入れて焼くことで、器の底をガラスで彩ることができるのも特徴。

滋賀県観光に関するお問い合わせ

滋賀県商工観光労働部観光振興局
電話 077−528−3743

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