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世界のAMAへ 鳥羽・志摩の日本遺産「海女に出逢えるまち」

世界でも希有な存在 海のまちの暮らしと風土伝えて

三重県鳥羽市と志摩市が合同で文化庁に申請していた「海女(AMA)に出逢えるまち鳥羽・志摩〜素潜り漁に生きる女性たち」が今年5月、日本遺産に認定された。

海女漁は日本と韓国の一部にしか見られず、国内でも総数の約半分にあたる750人が活躍し、最も「海女に出逢えるまち」が鳥羽・志摩だ。

女性が素潜りで魚介を獲る海女漁の歴史は2千年前から続いている。獲った海産物は伊勢神宮に奉納してきたほか、海女中心の祭りが現在も続いている。海女は、地域の産業、文化、観光と深く関わっており、伊勢志摩を語る上で海女の存在は欠かせない。

海女漁

2千年の歴史を持つ海女漁。
鳥羽と志摩では全国の半数にあたる
750人の海女が活躍中

2千年の歴史を誇る海女が地域にもたらした文化、風土は伊勢志摩各地で確認できる。

鳥羽市相差町の「石神さん」。伊勢志摩で最も女性に支持されているスポットだが、女性の願いをひとつ叶えてくれるとされる信仰は、海女から始まったもの。今や女子旅の聖地となった石神さんも、海女の信仰を起源とする。

石神さん

海女の篤い信仰を集め「石神さん」。
今や伊勢志摩の女子旅の聖地

相差や志摩の漁港周辺にある「海女小屋」は本来、海女が憩うためのもの。近年では海女小屋を体験施設として開放し、海女から直接話を聞きながらアワビなどの魚介類を食することができる。

鳥羽市浦村町の「海の博物館」は、海女文化を知るのに最適な施設。約6万点が収蔵されている資料の中には、海女が用いた漁具をはじめ、海女漁の拠点となった漁村の歴史を紹介している。

海女は、世界でも注目される存在になりつつある。近年、鳥羽市を訪れる外国人観光客が目立ってきている中で、2018年の入込客数で4番目に多かったフランス人が「真珠」への興味で来訪していることが市の調査でわかった。そこで、真珠との関わりが深い海女文化にもつながると判断。今年6月にはフランスとドイツの公共放送スタッフを招いて、海女文化など鳥羽の魅力を取材してもらった。

この秋、現地の人気番組で放送されることが決まっており、そのタイミングに合わせて、10月には鳥羽市の中村欣一郎市長や鳥羽市観光協会、海女ら約20人がフランスを訪れる。PRイベントの開催や旅行会社の訪問も予定しており、フランスを端緒に世界へ「海女(AMA)に出逢えるまち鳥羽・志摩〜素潜り漁に生きる女性たち」を売り込む。

今後ついて地元関係者は「海女文化のストーリーを訪れた人に感じてもらえるよう魅力的なまちづくりに取り組んでいきたい」と話している。

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