真面目にブランディング 加賀パフェとカニごはん
新ご当地グルメの地元へのこだわりに驚き
2016年にデビューした加賀市の食の新名物が「加賀パフェ」と「加賀カニごはん」。いずれもホームページ上に専用のページを設けなければ説明しきれないほど、真面目にブランディングに取り組んでいるご当地グルメだ。
まずは加賀パフェ。スイーツブームに乗じただけの、ただのパフェではない。加賀市のおもてなし喫茶メニューとして開発した地産地消5層のパフェは、加賀野菜を使ったブロッコリーアイス、味平かぼちゃアイス、野菜スポンジケーキなどに、温泉卵、ポン菓子、はちみつ生クリームを重ね、名物菓子「吸坂飴」のオリジナルソースや加賀九谷野菜をトッピングするなど、加賀産を詰め込んだスイーツだ。
加賀パフェの5層には、掟ともいえるルールがある。下から数えて1層目は色鮮やかなゼリー、2層目ははちみつ生クリーム、3層目は野菜スポンジケーキ、4層目はポン菓子、5層目はブロッコリーアイス、味平かぼちゃアイス、温泉卵などとし、トッピングは加賀九谷野菜などに決まっている。
決めごとはパフェの中身だけに止まらない。パフェグラスを敷く皿やソースカップには九谷焼を使用、献上加賀棒茶を急須に入れ、これらを地元作家が新たに作り下ろした山中漆器(半月型お盆)に乗せて提供している。急須に敷くのも、加賀市の手織・草木染工房の手織コースターという手の込みよう。これだけして加賀パフェのブランディングに取り組んでいる。
提供のハードルの高さもあり、加賀パフェを出すのは山代温泉や片山津温泉、橋立のカフェなど6店にとどまる。各店では、加賀パフェルールを守りながら、オリジナルのスイーツに仕上げている。年間で1万食以上を売り上げ、人気を集めている。
加賀パフェを食べられるのは片山津温泉総湯「まちカフェ」、加賀フルーツランド(橋立)、カフェ・ランチ加佐ノ岬(橋立・加佐ノ岬灯台入口)、くいもん家ふるさと加賀店(加賀温泉駅前)、ギャラリー&ビストロべんがらや(山代温泉)、はづちを茶店(山代温泉)の6店。
「加賀カニごはん」は加賀市・橋立港水揚げのメスのズワイガニ「香箱ガニ」を1杯(1匹)使い、器には山中漆器と九谷焼という地元の特産品を使用したぜいたくな一品になっている。
市内の食事処5店が、旬の野菜や魚を使った小鉢5品、海鮮味噌汁、献上加賀棒茶、デザートなどをオリジナルのメニューで提供している。全店一律で価格は2250円。
毎年メニューをリニューアルし、今年4月から割烹加賀は「カニ味噌担々鍋」、ホテルアローレの竹翠は「香箱ガニ丸ごと釜飯」、くいもん家ふるさと加賀店は「甲羅蒸しごはん・カニまんま」、加賀料理ばん亭は「和風化に焼きめし+カニ味噌甲羅焼き」、カーサフォルトゥーナは「カニ玉チーズリゾット」と、それぞれの加賀カニごはんを出している。いずれも観光客には好評だ。
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