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傾斜地農耕が世界農業遺産に認定 にし阿波地域

「日本の原風景」伝える農法

徳島県西部、にし阿波地域で受け継がれてきた伝統農法「傾斜地農耕システム」が4月、国連食糧農業機関から世界農業遺産に認定された。2014年の初申請では落選したが、今回リベンジを達成。日本では11件が認定されており、中四国では初めて。

にし阿波地域は三好市と東みよし町、美馬市、つるぎ町が圏域。この地域では、標高500―800メートルの山の急斜面に張り付くように広がる落合集落など山の急傾斜地で暮らしを営んできた。「日本の原風景」ともいえる光景は観光素材としても存在感を確立してきたが、今回の認定で地域の文化が世界に認められたことになる。

認定された「にし阿波の傾斜地農耕システム」は、400年以上にもわたり、急傾斜地でありながら土壌流出を敷き草で防止したり、サラエやテンガ、フタツバと呼ばれる独自の農具を使用した耕作技術を用いることなどによって段々畑を作らずに営んできた、この地ならではの農業の姿。その結果、ソバやアワなど雑穀のほか伝統野菜、山菜、果物などの栽培や、観光素材にもなった昔ながらの山村の景観、農耕にまつわる伝統行事の継承など独自の文化を育んできた。

認定を受け、徳島県は申請団体の徳島剣山世界農業遺産推進協議会と連携して観光ブランド化を推進。9月にはPRポスターを作成するなど、観光や食を通して地域活性化につなげる取り組みを展開している。

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