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歴史に浸れ、和倉の“別の顔” 古刹2寺に天皇家の「御便殿」/和倉温泉

心に染み入る威厳と静寂 青林寺と信行寺

石川県和倉温泉の楽しみ方は様々だ。温泉街で足湯でゆっくりしたり、高台から能登島の風景に心を癒したり。散策やサイクリングでのんびりと楽しむのがいい。そのなかの魅力の1つが、歴史。まちなかには独自の歴史を刻んできた建物が点在、一般的なイメージと異なる「和倉の別の顔」をのぞいてみるのもいいだろう。

なかでも注目は、天皇家ゆかりの名刹だ。青林寺と信行寺には天皇家が訪れられた際の休憩所「御便殿(ごべんでん)」が設けられており、天皇宿泊にふさわしい豪華で威厳に満ちた雰囲気が今も残る。

天皇家を初めて和倉温泉が迎えたのは明治42年(1909年)。その宿泊場所として御便殿を建設、大正天皇や昭和天皇が宿泊された。寝室の和室は「折上格天井」という格式高い構造が用いられているほか、開放的に眺められる庭園の風景も見事のひと言。のちに本殿を青林寺に、便殿を信行寺に分けて移築された。

青林寺

青林寺の便殿から望む庭
園美と威厳は見事の一言

青林寺では、蔵も必見。正面階段に続く一本道の傍にたたずむ古い建造物で、夕方にはオレンジの街灯に照らされ、趣が増すという。

信行寺に移築された便殿は主に侍従者の宿泊施設として使用。清澄な空気の中で静かな時間が流れている。

信行寺

侍従者の宿泊施設として使った信行寺の便殿

両寺では希望者は見学が可能。和倉温泉観光協会によると、近年は若い女性客が増え、30分程度、庭を見ながら瞑想して時間を過ごすというスタイルが多いという。

青林寺では2019年春から座禅、写経体験を始める予定。料金は1人1300円。

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