和歌山の温泉の由来学ぶセミナー 和歌山県旅館組合、南海トラフの活動が泉源
食中毒の傾向と対策も研修
「温泉と健康セミナー及び食中毒対策セミナー」が2月2日、和歌山市のアバローム紀ノ国ツインバードで開かれ、関係者57人が出席した。主催したのは、和歌山県旅館ホテル生活衛生同業組合(利光伸彦理事長=大阪屋ひいなの湯)。
セミナーの第1部は「ノロウイルス食中毒予防について」と題し、サラヤのサンテーション事業本部近畿支店食品衛生部の江川葵さんが講演。
江川さんは食中毒の発生状況やノロウイルスの特徴、感染経路などについて紹介した。ノロウイルス対策には2度の手洗いとふき取り、消毒を行う「衛生的手洗い」の徹底が有効的であると訴えた。汚物処理の具体的な手順については、参加者の代表によるデモストレーションを交えて防護具の着脱方法から消毒液の準備、回収、廃棄方法までを体験した。

汚物処理を実演した講義
江川さんによると、食中毒は国内で年間1千件、患者数約1万人が発生。2024年の患者数は1万4千人で、食中毒による死亡者は23年で3人、24年で4人だった。食中毒の発生件数・患者数ともにノロウイルスが最も多く276件、8656人に達している。
岐阜県の仕出し弁当店で発生した事例では患者456人、因果関係は不明ながら1人が亡くなり、店舗は営業禁止処分後に廃業に至った。江川さんは「食中毒事故は会社の存続を脅かす重大問題です」と強調した。
第2部の温泉と健康セミナーは、下呂温泉博物館名誉館長の古田靖志さんが「温泉と健康―温泉施設のためのとっておきの話」と題し講演。和歌山県の温泉の魅力と特性のほか、温泉資源の価値を再認識し価値を育むヒントについて言及した。
はじめに、古田さんは「江戸時代の温泉番付では龍神温泉が行司、湯の峰温泉が勧進元、湯川温泉が差添人と仕切役として登場しており、白浜温泉は大関として記載され、なかでも熊野温泉は番付でも別格扱いでした」。和歌山県内の温泉は、他地域の温泉を見下ろすような特別な位置にあったことを伝えた。
また、湯の峰温泉にある東光寺には、温泉の沈殿物(炭酸カルシウム)が固まってできた「湯の胸(ゆのむね)」がご神体として祀られていることも紹介した。

温泉の由来と活用法まで話した古田さん
和歌山県の温泉について「火山がない非火山地帯に関わらず非常に高温なのは、熱源が南海トラフから沈み込むフィリピン海プレートのマグマであることが最近の研究でわかりました。海水を含んだプレートの比較的浅い部分が圧力により熱水となり、その高温の水が断層を通じて地表に湧き出しているんです」。
温泉の成分は「龍神温泉や湯の峰温泉、渡瀬温泉、加太淡島温泉など重曹泉(炭酸水素ナトリウム)を含む温泉が多く、美肌の湯と呼ばれています。ツルツル感があるのが特徴です」と述べ「他県になりますが、佐賀県の嬉野温泉の湯豆腐、鹿児島県の温泉しゃぶしゃぶはアルカリ性の湯がタンパク質を加水分解し、食材を柔らかくする性質を利用したものです」と重曹泉を使った料理への応用も紹介した。
このほか浴場における現代的課題として、スマホなどによる盗撮や不適切行為などに対して「毅然と禁止をアナウンスする掲示板などの設置」などルールを明確化すべきだと訴えた。
和歌山県 旅のお問い合わせ
和歌山県旅館ホテル生活衛生同業組合
〒640-8241和歌山市雑賀屋町東ノ丁64
TEL : 073-431-1366 / FAX : 073-431-1367
URL : https://www.yado-wakayama.com/
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