30億円かけて高付加価値化 加賀温泉郷の宿・観光施設
プレミア志向のリニューアル
観光庁が地域全体で魅力と収益力を高める「既存観光拠点の再生・高付加価値化推進事業」で、加賀市の加賀温泉郷の旅館ホテルや店舗、廃業旅館を撤去し公園整備など官民合わせて総投資額30億円をかけて地域・施設の魅力アップを図っている。そのうちのいくつかを紹介する。
山代温泉の「ゆのくに天祥」は2022年9月から23年1月にかけてリニューアル工事を実施。白雲の館の標準客室24室を露天風呂付き客室に改装した。これにより同館の全156の客室のうち44室が露天風呂付きの客室になり、合わせて自家源泉を客室の露天風呂にも導入。コロナ禍を機に増加した「大浴場ではなく、部屋で温泉を楽しみたい」といった客層の要望に応えることができるようになった。
また、昨今のサウナブームを受けて、館内2カ所にあるサウナも改装。内装や照明を刷新するとともに、ヒーターを見直してアロマの香りが楽しめるサウナにした。ロビーや屋外スペースのリニューアルも実施した。
山代温泉の「たちばな四季亭」は23年1―2月に休館し、大掛かりな改装工事を行った。3月に温泉寺を一望できる新たな客室を設け、これまでの宴会場を個室食事処にリニューアルした。
同館では17年から、九谷焼のオリジナル取っ手をつけた客室ドアや、加賀友禅に用いられる加賀五彩の一つ「草色」の内装など、加賀にこだわった客室づくりを行ってきたが、今回でほぼ当初から描いてきた構想が実現したという。食事処は、プライベート感を重視した個室とし、最大15人まで利用できる部屋も設けた。食事処と厨房を直結させ、これまで以上にできたての料理を提供できるようになった。外装も一新した。
山代温泉の「吉田屋ホテル山王閣」は、本館の客室を「孔雀殿」と位置づけ一部客室をリニューアル。新客室は「羽伸―UNO」とし、広さが26平方メートルのAタイプ、19平方メートルのBタイプ、24平方メートルのCタイプの3室を設けた。いずれも露天風呂が付き、ツインのローベッドとソファーセット、琉球畳を調和させたモダンな和洋室とした。あわせて大浴場を改装し、浴場内のサウナもリニューアルした。サウナの天井をR型にし、室内に熱がまわりやすくした。
加賀温泉郷全体では、外装や露天風呂付き客室の改装を行った片山津温泉の「かのや光楽苑」、山中温泉の「白鷺湯たわらや」のほか、同じ山中温泉の「すゞや今日楼」は、モダンなタイプへの客室リニューアルを行っている。
店舗では、山代温泉の総湯前にある文政2年創業の老舗「れん永昌堂」も外観をモダンな雰囲気に仕上げた。れん永昌堂は「れんの羊羹」として知られている。
山代温泉の廃業した旅館「松籟荘」跡地には22年4月に「山代スマートパーク」が誕生。公園のほかITルームやフラワーショップ&カフェなどがあり、エリア内ではWi―Fiがつながる。ITルームはキッズプログラミングやドローン体験などIT技術を体験できるイベントを開催。通常は有料のカフェ飲食スペースとして活用されている。
石川県加賀温泉郷 旅のおすすめサイト
加賀パフェ【加賀市】
ゆのくに天祥【山代温泉】
たちばな四季亭【山代温泉】
加賀百万石【山代温泉】
吉田屋山王閣【山代温泉】
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