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西郷どんの島暮らし 奄美群島にゆかりの史跡

「島時間」のなかで歴史に思い馳せ

西郷隆盛の波乱の人生を物語る上で、外せないのが「島流し」。二度も奄美群島へ流されており、苦渋を味わったように思えるが、ここで出会ったのは美しい風景と愛すべき人々との心豊かな暮らしだった。隆盛の人としての成長に大きく関わった奄美に足を延ばし、ゆったりとした「島時間」に浸るのもいい。

一度目の遠島先は奄美大島。安政の大獄で幕府から身を隠すためにやってきた。ここで出会った龍家の娘・愛加那と結婚し、2人の子どもをもうけた。

龍郷町には隆盛自ら設計した新居の跡地、西郷南洲流謫(るたく)跡がある。当時の木造小屋の原型をとどめ、ゆかりの品を公開。近隣には愛加那も使ったという井戸跡も。その以前、隆盛が上陸した阿丹崎に船をつないだ「西郷松」があり、生涯学習センター「りゅうがく館」にその松で作った隆盛と愛加那の木像が展示されている。隆盛を祭神とする奄美市の南洲神社も訪れよう。

奄美大島

隆盛も暮らした奄美大島

二度目の遠島は、島津久光に背いたための流罪。徳之島では愛加那と子どもたちと再会が叶ったが、再度沖永良部島への遠島が決まり、離れ離れになった悲運の地でもある。

徳之島では空港隣接地に隆盛上陸地の記念碑が。身を寄せた岡前の謫居(たっきょ)地は住民と交流したところ。今はその歴史を伝える碑がたつ。

沖永良部島でも上陸地と謫居地がある。謫居地は「敬天愛人」の精神を完成させた地といわれ、敷地内には西郷南洲記念館があり、遺品や遺訓が展示されている。この島にも南洲神社があり、南洲文庫跡や愛犬を連れた隆盛像が見どころ。

そのほか、口永良部島や喜界島、屋久島、山川港や枕崎港など立ち寄り先も記録に残る。

奄美群島では、海に抱かれた独自の文化に親しんだ隆盛。奄美大島では釣りを楽しみ、沖永良部島ではイカの餌木を漁民から頼まれて作っていたとも。過酷な環境に苦しんだこともあったが、この地でも島民と親しみ、民のために尽力するなどその時を全力で生きた。各島をのんびりと周遊し、西郷どんも親しんだ島の暮らしを体感したい。

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