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カニだけじゃない実力者「ブリしゃぶ」 丹後宮津の郷土料理が来年誕生40周年

寒ブリのうまさをシンプルに

京都府丹後の冬にはカニだけじゃない、もうひとつの目玉、寒ブリがスタンバイ。薄く切った身を湯にくぐらせてサッといただく「ブリしゃぶ」は、その旨みをシンプルに味わえる郷土料理だ。宮津市で生まれて来年で誕生40周年。今や丹後が誇る名物にまで成長した。ブリしゃぶを味わってこそ、冬の北近畿の“美味さの層の厚さ”を体感できるだろう。

丹後の寒ブリは12―2月に大敷網漁で漁獲され、大きさは大きいもので体長1メートル、重さ10キロを超える。ブリしゃぶはこの日本海の荒波でもまれて締まった身を薄造りにして昆布だしにサッとくぐらせ、ポン酢につけて口に運ぶ。甘味、脂、締まった身。天然の寒ブリの濃厚な脂の旨味を直感的に味わえるというものだ。

ブリしゃぶ

きれいに盛られたブリの薄切りをお湯でサッと

ブリしゃぶが生まれたのは1978年11月。宮津・天橋立旅館組合青年部が地元名産のブリをカニに並ぶ名物料理として世に送り出そうと、ブリが出世魚であることから「出世鍋」という名前で誕生させた。

寒ブリは、刺身や焼物など家庭料理の定番として使われていたが、冬の名物としてインパクトをもたせようと「しゃぶしゃぶ」スタイルとして考案。薄切りを大皿に盛り付け、湯にくぐらせた後はポン酢でという定番の食べ方を確立させた。

登場当初は地元の宴会でも注文がないほどだったが、会席料理の一品として小鍋で提供したところ地元客からも観光客からも喜ばれ手ごたえを得た。その後PRなど地道な活動を展開し続け、丹後一円でブリしゃぶが味わえるまでに地位を確立させるに至った。

ブリしゃぶは宮津市内はもちろん伊根町などの旅館ホテル、民宿、食事処などでフルコース、御膳が味わえる。

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