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「ホテルさん」創業100周年 逸話豊富な湯元上山田ホテル/戸倉上山田温泉

戦時中、身体が不自由な子どもたちの疎開受け入れ

開湯から120有余年。戸倉上山田温泉の老舗、大正8年(1919年)創業の湯元上山田ホテル。今年、創業100周年を迎えた。名称を「ホテル」として歴史は古く、地元では屋号を付けず「ホテルさん」と親しみを込めて呼ばれる。温泉は湯量豊富で源泉かけ流し。淡くグリーンな湯を湛える浴槽からほのかに香る硫黄臭がいい。

敷地に1つの記念碑が立っている。太平洋戦争末期から戦後にかけての4年間、身体が不自由な子どもたちの疎開をホテルが受け入れたことを後世に伝えようとする碑で同様の戦禍を2度と起こさないことを誓う碑だ。

東京・世田谷にあった「東京都立光明国民学校」(現・光明学園)は、当時全国で唯一、身体の不自由な子どもたちが集まる学校だった。戦時中、他校の学童疎開が始まるなか、子どもたちの疎開先探しに苦労していた。校長から相談を受けた、旧上山田村長だった同ホテルの若林正春社長は、約60人の受け入れを決め、疎開から10日後、学校は空襲で大半が焼失してしまう。

記念碑は一昨年、戦後70有余年を経て、同校関係者の寄付や同ホテルの協力で建立した。1・6メートルほどの記念碑には、歩行を支える補助具などでホテルの畳や廊下が傷んだことなどを読んだ句「すりきれしホテルの畳慰問柿」などが刻まれている。

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