鳥羽二大産業の観光と漁業が協業 海女を絡めたツアー登場
「漁観連携」はまちのキーワード 様々な効果生む
鳥羽市はまちの二大産業である観光と漁業が協業する「漁観連携」の取り組みが進んでいる。海を大きな地域資源として環境問題にクローズアップ。漁業と観光業が協力して課題を解決、まちの活性化につなげようと一丸となっている。
鳥羽の観光は「海」が重要キーワード。海女は観光でも活躍するが、漁業にとっては観光への意識は高くはなかった。だが近年、鳥羽付近の海域では磯焼けや黒潮の大蛇行で海藻場がなくなり、魚介類が減少。三重県内の海女は約500人で50年前の8分の1になり、海とともに培ってきた文化の保全が求められるなど課題を多く抱える中、鳥羽市観光協会、市、鳥羽磯部漁業協同組合の意識が一致。2014年から連携事業をスタートさせた。
以降、協議を重ねながら協力への意識を醸成。鳥羽の海産物の情報発信、地産地消、海を舞台にした体験、海女や食文化の保全、漁業の活性化を戦略分野として取り組みを展開し、「鳥羽の海」ブランドの価値を高めてきた。
鳥羽市観光協会は、海女さん応援基金を設定。鳥羽市水産研究所は海藻・海洋環境などに関する研究を行い、鳥羽市が海のレッドデータブックを発刊している。漁師など漁業従事者も海の植林活動などに取り組むなど、観光や漁業など地域一体となって積極的な連携が図られている。

海女さん応援基金を設けている鳥羽の皆さん
漁観連携で生産者の消費者の関係が深化し、団体、個々で活動が生まれ、地域に環境への意識醸成が進む声も多い。観光面では漁業や海女を絡めたツアーが生まれ、旅館では地域の漁業従事者と地域イベントなどを通じた交流から社員の定着率が向上するなど各所で効果も出ている。
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