地域の“宝”をエコツーリズムで観光化　個性競う下呂市６エリア

岐阜県下呂市では地域資源をあますことなく生かし、その資源を未来へ継承しようと持続可能なまちづくり観光にまい進している。日本三名泉のひとつ下呂温泉という強大なコンテンツだけでなく、雄大な自然と穏やかな風土という悠久の歴史のなかで培ってきた地域の宝をエコツーリズムなどの形で観光資源化。市内全域で下呂だけの旅を演出している。宿泊拠点はもちろん下呂温泉。ここから市内各所をめぐって、心身に優しい癒しの旅へ繰り出そう。

渓谷美、町並み探索、郷土芸能…

【下呂エリア】

中部随一、いや日本を代表する温泉地・下呂温泉を擁する下呂市観光の顔。「美人の湯」とも言われる泉質を求めて、下呂温泉には古くから多くの人が訪れ続けている。

個性豊かな旅館ホテルが建ち並び、温泉街を散策して温泉情緒を満喫しよう。飛騨川沿いという立地の自然の魅力、足湯や湯めぐり手形を使っての各宿での温泉入浴、飛騨牛や鶏ちゃんなど郷土の味わいなど多くの楽しみが待っている。

下呂温泉に伝わる白鷺伝説ゆかりの温泉寺や、合掌造りの家屋と多彩な体験がそろう「下呂温泉合掌村」などにも立ち寄れば下呂温泉の風土を体感できるはずだ。

【小坂エリア】

霊峰御嶽山のふもと、約２５００メートルの標高差と御嶽山から湧出する清らかな水がつくり上げる渓谷美が大きな魅力のこのエリアは、「岐阜の宝もの」第１弾に認定されただけでなく、この６月には「岐阜未来遺産」にも認定された下呂温泉観光協会が推進するエコツーリズムの主軸たる地だ。

その渓谷がもたらす滝は落差５メートル以上のものに限っても２１６もあり、その風景は個性様々。見ている人を飽きさせず、「清流の国ぎふ」ならではの癒しを与えてくれ、トレッキングのメッカに。滝めぐりプログラム、ツアーも多彩で初心者から熟練者まで旅人を受け入れてくれる。下呂温泉から約25分。

【金山エリア】

飛騨最南端の地は、江戸時代の宿場町としての歴史を持つ。飛騨街道金山宿には家屋が建ち並び、細い路地が迷路のように絡み合った独特のまちが形成されており、そのレトロな町並みを求めての「筋骨めぐり」が一つの看板。

また、パワースポットとしての顔も持ち、縄文時代からの太陽カレンダー「金山巨石群」など巨岩や奇岩の宝庫としても知られ、歴史と自然の見どころが混在した個性的なエリアだ。下呂温泉から車で約45分。

【馬瀬エリア】

自然豊かな下呂市の中でも、そののどかさは随一。鮎の友釣りのメッカである馬瀬川を中心に、日本の原風景ともいえる光景が広がる。豊かな自然と古くからの暮らしぶりから「日本で最も美しい村」連合にも加盟しており、訪れるとどこか懐かしい空気に包まれる。

キャンプ場も点在し、フィールドアスレチックやサイクリング、魚のつかみ取りなどの体験などアウトドアを楽しむにはこのエリアだろう。下呂温泉から車で約25分。

【萩原エリア】

下呂温泉から北西へ向かうと、下呂市内もうひとつの宿場町・萩原の地へ。飛騨街道の宿場町として栄え、町並みには昔ながらの風情と人情が残る、懐かしい日本に出会える地だ。

米や野菜といった自然の農産物による旨味が詰まり、自然の美味しさを存分に味わえるほか、史跡、寺社仏閣めぐりも楽しめる。そのほか、夏秋の毎週金曜日には開かれる「天領朝市」、江戸時代創業の酒蔵でつくる地酒、そば、和菓子など大人の「食べ歩き」旅はどうだろう。下呂温泉から車で約15分。

【竹原エリア】

下呂の東の玄関口で、自然と暮らしが調和した里山が広がり、農業とともに生きてきた地域の素朴な風土が漂う。

岐阜県名水50選の乗政大滝や農道沿いに広がるすいせんの里、古くから伝承する県重要有形民俗文化財「地歌舞伎」といった地域の自然と文化を感じる素材が魅力。エコツーリズムとしてはフルーツトマト狩りなど農業体験が都会からやってきた旅人の心に温かさを灯してくれる。下呂温泉から車で約20分。

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