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今年の道後アートは「街歩き旅ノ介」 温泉街に現代芸術で新風

メーンアーティストに山口晃さん 17年8月まで作品展示

愛媛県道後温泉を舞台にしたアートプロジェクト「道後アート」が今年も開かれている。2016年度のメーンアーティストは画家の山口晃さんが務め、17年8月末まで作品を展示。古今東西さまざまな事象を題材に、ユニークな作風が持ち味の山口さんの世界が温泉街に溶け込み、日本最古の古湯に新風を吹き込む。

道後温泉のアートプロジェクトは14年の道後温泉本館の改築120年を記念して開いた「道後オンセナート」から始まり、昨年は写真家の蜷川実花さんをメーンアーティストに迎えた「道後アート」へ。アートによる新しい温泉エンターテインメントの創出によるまちの回遊性向上を目的に、さまざまな展示と仕掛けで道後に新しい魅力を生み出している。

今回のコンセプトは「街歩き旅ノ介 道後温泉の巻」。今年は松山ゆかりの文豪・夏目漱石の没後100年、小説「坊っちゃん」発表から110年という節目にあたり、都市鳥瞰図や合戦図を時空が混在したスタイルで描く山口さんが、「坊っちゃん」を書いた漱石同様、よそものの視点で道後を描く。

会期は4月29日にスタートしており、17年8月末の会期終了まで、作品は期間中3回に分けてオープンする形式で、第3弾が10月6日に公開された。作品は期間中継続して公開される。

道後商店街入口には「鈴生り門」。7種の大きさのちょうちんで来訪者を出迎える。道後温泉本館内床の間には成田空港の様子を描いた「飛行機百珍圖(ひゃくちんず)」などユニークな画風の作品を展示。振鷺亭前には「要電柱」、冠山北側階段には「見晴らし小屋」といった道後温泉本館の緑青の屋根を模した屋外展示物も温泉街を彩る。

道後アート

道後商店街入口の「鈴生り門」

また、各旅館ホテルには「ホテルギャラリー」と題して、山口さんの過去の作品を展示。旅館ホテルの客室そのものがアート作品となる「HOTEL HORIZONTAL」も今年は10月、ホテル椿館に道後をイメージし直筆で描かれた襖絵のある客室が設けられた。歴史×アートのまち歩きの楽しみが、そこかしこにちりばめられている。

道後アート

温泉街を歩くいい機会に

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