花燃ゆヒロイン文ゆかりの地紀行(1) 萩-松陰や文の足跡
2015年NHK大河ドラマのヒロインは吉田松陰の妹・杉文(すぎ・ふみ)。松陰をはじめ最初の夫・久坂玄瑞、その後に結ばれる小田村伊之助(楫取素彦)ら、文ゆかりの地を紹介しよう。
志士の誕生地などが点在
「江戸時代の地図がそのまま使えるまち」といわれる萩。幕末には吉田松陰や木戸孝允、高杉晋作、伊藤博文など維新の志士を数多く輩出し、生誕の地や旧跡などの史跡が各所に残っている。
松陰神社は松陰を祭神とする神社。明治23年(1890年)に松陰の実家である杉家の人々の手で私祠として建てられたのが始まり。現在の社殿は昭和30年に完成した。境内には松下村塾、吉田松陰幽囚の旧宅、歴史館、宝物殿至誠館がある。
なかでも松下村塾は吉田松陰が主宰した私塾として知られる。松陰は身分や階級にとらわれず杉家の幽囚室で塾生を受け入れたため、入門者が続出。幽囚室では手狭になったため、宅地内にあった小屋を修理し8畳一間の塾舎を設けた。しかしそれでも間に合わず10畳半の部屋を建て増ししたのが現存する塾舎。わずか1年あまりで多くの人材を育てた。
隣接する吉田松陰幽囚ノ旧宅(杉家旧宅)は、海外渡航に失敗した松陰が幽囚されたところ。短期間だが妹の文と久坂玄瑞が新婚生活を送った。歴史館には松陰ゆかりの約70体の等身大蝋人形、至誠館には松陰の遺墨や遺品を展示している。
吉田松陰誕生地には、下田で黒船の様子を伺う松陰の銅像がある。下田踏海の同志である金子重輔を従えている。この地は団子岩と呼ばれる風光明媚なところで萩の城下町が一望でき、杉家跡地となっている。文はここで幼少期の5年を過ごした。建物は残っておらず、間取りが推定復元されている。
近くには松陰の墓所があり、吉田家と高杉晋作、吉田稔麿など門下生の墓がある。このほか周辺には松陰の叔父で松下村塾の創始者、玉木文之進の旧宅、文の夫で初代群馬県令となった楫取素彦(小田村伊之助)の旧宅地、楫取氏の旧宅から移築した茶室が広厳寺に残っている。
一帯は伊藤博文旧宅、伊藤博文別邸、吉田稔麿誕生地、東光寺などの史跡や寺などが点在する魅力あるエリアだ。
城下町に足を向けると、毛利13代260年にわたって居城だった萩城跡・指月公園や松陰が兵学の講義を行った旧萩藩校明倫館、松陰が二度つながれた野山獄の跡、庶民を入れた岩倉獄の跡、松陰の菩提寺で直筆の書が所蔵されている泉福寺などがある。
また松下村塾の逸材で文の最初の夫となる久坂玄瑞に関しては、誕生地のほか2015年1月24日に中央公園内に銅像が建立される。
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