ホーム > 今すぐにでも出たくなる旅 > 西日本 > 山陰を遡る―リアルな神話の旅 >

【石見】勇壮華麗な石見神楽　島根西部・伝統芸能の旅

11/05/24

西日本：山陰を遡る―リアルな神話の旅：

島根県西部に位置する江津市や浜田市、益田市、津和野町などでは７月から11月まで「『なつかしの国・石見』観光キャンペーン」を開く。期間内は「石見の夜神楽」を毎日公演。関西地区の旅行会社へ石見神楽のＰＲと誘客促進に努めている。

７月から「なつかしの国・石見」キャンペーン

石見神楽は石見地方の伝統芸能で、島根県西部一円で演じられている。全国には様々な神楽が伝承されているが、そのなかでも石見神楽はリズムの軽快さと衣装の豪華さで、他では類をみない独特の神楽といわれる。

１９７０年の大阪万国博覧会に参加した際、多くの見物客にわかりやすいように効果音や視覚的な要素を織り交ぜて演出し、ショー化の傾向を辿るようになった。現在では様々な祭りやイベント、競技大会など多くの場で上演され、身近なものになっている。

神楽の演目は現在上演されているものだけでも30数種。古事記や日本書紀を原点とするものや、よく知られた神話や伝説をもとにした内容で、１００を超える神楽社中が石見地方には残り、地域に根ざした舞を連綿と引き継いでいる。

神楽の演目は30数種。
その内容は古事記や日本書紀を原点とするものや
神話や伝説がもとになったものなどだ

石見神楽の代表的な演目には「大蛇」「鐘馗」などがある。なかでも「大蛇」は石見神楽のハイライト。神話をもとにしたこの演目は、スサノオノミコトがヤマタノオロチのいけにえにされようとする老夫婦の愛娘イナタヒメを助けるために毒酒を飲ませて退治するという物語。目を光らせ、煙幕を吐きながら現れる複数の大蛇が立ち回る光景は圧巻だ。

石見神楽のハイライト「大蛇」。
複数の大蛇が立ち回る光景は圧巻

７月からの「『なつかしの国・石見』観光キャンペーン」での「夜神楽」毎日公演のほか、11月末まで石見各地では毎週土日曜に神楽の定期公演が。

主な定期公演として浜田エリアの道の駅ゆうひパーク浜田で第２・４日曜の13―15時、金城エリアの美又温泉・美又温泉会館で９―12月の毎週土曜20時30分―22時、旭エリアの旭温泉あさひ荘別館で９月上旬－11月中旬の毎週金曜21時－22時30分まで石見神楽が上演される。

このほか、江津市の「しまね海洋館アクセスはっしー広場」では毎週日曜の13－15時、津和野町の道の駅・交流ターミナル「津和野温泉なごみの里」では毎月第１・３日曜の11時と14時、神楽の定期公演を行っている。

受け入れに制限はあるが９月上旬－11月中旬は土曜を中心に、石見各地の神社で夜を通して「奉納神楽」も行われる。

夜神楽を毎日公演　益田・グラントワでは定期公演

「『なつかしの国・石見』」観光キャンペーン」期間中は特別企画として毎日20―21時まで、夜神楽の毎日公演が行われる。観覧料は５００円。キャンペーン期間中の夜神楽の上演予定は次の通り。

【益田市】７―８月＝益田駅前ビルＥＡＧＡ　【浜田市】８月＝浜田駅前石央文化ホール、９月＝旭温泉あさひ荘別館・湯谷温泉きんたの里、11月＝美又温泉会館　【津和野町】９月＝津和野町民センター　【大田市】９月＝温泉津温泉・三瓶山　【江津市】10月＝有福温泉湯の町演芸場・風の国温泉

益田市にある芸術文化センター「グラントワ」では石見神楽定期公演を実施。公演回数は42回で、開演は19時から。６月から８月までの出演社中、演目日程は次の通り。

【６月】▽５日＝小笹神楽社中（浜田市）、道返し・岩戸▽12日＝種神楽保存会（益田市）、天神・東大和▽19日＝谷住郷神楽社中（江津市）、塵輪・頼政▽26日＝石見神楽保存会久城社中（益田市）、圓受・大江山　【７月】▽石見神楽亀山社中（浜田市）、天神・大蛇▽10日＝白谷神楽社中（吉賀町）、天神・黒塚　【８月】▽14日＝石見神楽上吉田保存会（益田市）、東大和・大蛇

また、石見地方では４月から、10人以上の団体の宿泊客対象に、１万円で宿泊施設での神楽の出張上演を行うサービスも始まっている。