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古事記の舞台を訪ねて 島根では来年「神話博」も

伝説の舞台が鳥取、島根両県に点在

山陰各地では古事記ゆかりの地や地名が数多く残り、すでにモニターツアーや古事記関連のPRが活発化している。山陰に残る古事記の主な舞台を訪ねてみたい。

佐比売山

佐比売山(三瓶山)も神話の地名として残るひとつ。
白い雲がたなびく風景が神話の雰囲気を漂わせる

まずはイザナギとイザナミの話から。イザナミの遺体を埋めたと伝わる比婆山は島根県安来市にあり、山頂にはイザナミを祭神とする比婆山久米神社奥宮が。松江市の神納峠、鳥取県西伯郡南部町の母塚山、日野郡日南町のお墓山に同様の伝説がある。

黄泉の国の入口が島根県八束郡東出雲町の黄泉比良坂、揖夜神社などにあるとされている。黄泉の国から戻ったイザナギが身体を洗ったとされるのが松江市美保関の爾佐神社。

アマテラスとスサノヲに関しては、ヤマタノオロチに飲ませる酒を造ったとされるのが雲南市木次町の布須神社と釜石で、同町には酒を入れた壷が埋められているという八口神社がある。松江市の八重垣神社はスサノヲとイナタ姫が祀られ、縁結びの神社として知られる。

斐伊川

宍道湖に注ぐ斐伊川。
曲がり流れる様はオロチに例えられてきた

オオクニヌシについては、まず出雲市の出雲大社に次いで、鳥取市の白兎神社、鳥取県西伯郡南部町の赤猪岩(あかいいわ)神社、日野郡日南町の大石見神社、米子市の阿陀萱(あだかや)神社、粟嶋神社、天神垣神社があり、天神垣神社から西へ1キロ、高天原には神聖な水「天の真名井」も。松江市の佐太神社もオオクニヌシゆかりの神社だ。

白兎海岸

因幡の白兎の舞台として知られる白兎海岸。
卯年の今年は多くの観光客で賑わいをみせる

オオクニヌシの妻でスサノヲの娘でもあるスセリ姫とオオクニヌシの娘シタテル姫。そのゆかりの地が鳥取県西伯郡大山町で、唐王神社や大神山神社奥宮、妻木壹宮(むきいちのみや)神社、妻木晩田遺跡など点在。大山の山そのものがオオクニヌシのご神体とされているほど、オオクニヌシと大山の関わりは深い。

駆け足で山陰に点在する古事記との関連スポットを紹介したが、ごく一部しか紹介できなかったほどその数は多い。山陰と古事記の旅が注目を集めるのは、これからだ。

12年7-11月に「神話博しまね」 古事記編纂1300年で

「古事記」が編纂されて1300年を迎える2012年、島根県立古代出雲歴史博物館と周辺地域で、神話をテーマにした「神話博しまね」が開催される。会期は7月21日から11月11日までの114日間。出雲大社東隣の同博物館に特設会場を設け、数多くのイベントを開く。

会場には島根の神話を体感できる「しまね神話館」、島根の伝統芸能・神楽などを毎日公演する「しまね情報発信ステージ」、県内各地の観光情報を提供する「しまね情報発信館」などを設置。「グルメ市&物産市」では古代食の再現や県内外の神話に縁のある食を集めたグルメ市、島根県内の特産品を集めた物産市も開く予定だ。

このほか、発掘体験や埴輪作り、古代アクセサリーを作るワークショップを開催し、来場者が古代の生活を体験できる「体験工房」も備える。古代出雲歴史博物館では、神話をテーマにした企画展を開催する。

「神話博しまね」の開催に伴い、島根県では今年10月9―13日に松江城二の丸下の段特設ステージで「『全国夜神楽フェスティバル』in松江城」、12月2―4日に松江市内で全国各地からゆるキャラを集め「『きゃら在月』inしまね」を開き、「神々の国しまね」をPRする。

12年はJR5社と共同で行う山陰デスティネーションキャンペーンや、JR西日本と中国5県で実施しているディスカバーウエスト連携協議会を活用したプロモーションが企画されるなど、「神話の国」が盛りあがる一年になりそうだ。

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