伊東・大室山山焼きと椿の花 春の風物詩でリレー
豪快な伝統行事、2月11日に つばき園では観賞会
お椀を伏せたような山容が特徴の伊東市の大室山。伊東の春の風物詩は、なんと言っても大室山を丸ごと焚き上げる山焼き。標高580メートル、麓の直径300メートルの大室山の裾野から山頂までを覆うカヤを山焼きする。
700年前から続けられている行事で、かつては農家で使うカヤを育てるための山仕事の一つだった。今は伝統ある観光イベントとして、また、カヤで覆われた大室山の柔らかな山容を守るために、毎年2月の第2日曜日に行われている。
次回の山焼きは2018年2月11日を予定。麓から一斉に点火すると、東京ドーム約20倍ともいわれる山が、わずか30―40分で豪快に丸焼けになる。麓と山頂を結ぶリフトや山頂駅、駅周辺施設の回りはあらかじめ草刈がしてあり、山焼きの影響は及ばない。
山焼きで黒々と灰に覆われた大室山は、ひと月もすると、灰の下からカヤが芽を出し再び若草色に再生される。山頂までリフトで登れる。
大室山は約4千年前に噴火した火山。そのとき流れ出た溶岩流は、伊東市の観光の名所でもある、断崖絶壁の海岸線が見どころの城ヶ崎海岸をつくりあげた。
大室山の山焼きが終わって2月下旬からは、例年、小室山公園つばき園で「つばき観賞会」が開かれる。椿は伊東市の花木。市内には多くのやぶ椿の自生地がある。
1.5ヘクタールのつばき園には、1千種4千本の椿が植えられ、種類、木の大きさ、花の咲く期間の長さの総合力で、「日本一のつばき園」とされる。10月中旬から早咲きの品種が見ごろとなり、遅咲き品種は5月末まで花を付ける。
椿のあとは桜。3月中旬から伊豆高原で桜まつりが始まる。伊豆急・伊豆高原駅周辺に200本植栽されている大寒桜から見ごろを迎え、伊豆高原の桜のトンネル、大室山さくらの里へと、約1カ月にわたり花見ができる。野外劇やコンサートなどのイベントが桜まつりを盛り上げる。
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