戦国最強の水軍大将・九鬼一族で町おこし 鳥羽市に歴史観光
10月28日に「九鬼水軍楽市」
鳥羽市は、戦国時代に織田軍の一員としてその名を轟かせた九鬼水軍が治めた。鳥羽に戦国のイメージは少ないが、実は戦国期にあって個性的な存在を示す地。鳥羽市観光協会はこの歴史を観光まちづくりに生かそうと、市や商工会議所などの協力を得て「九鬼プロジェクト実行委員会」を設立。戦国武将・九鬼嘉隆を中心とした九鬼水軍を前面に打ち出した取り組みを展開している。
九鬼水軍の居城だった鳥羽城は全国的にも珍しい海城として戦国ファンのなかでも知られた存在。現在は鳥羽城跡として鳥羽の歴史観光の核になっている。城郭の登城記念として注目を集める「御城印」の鳥羽城バージョンも人気だ。
鳥羽観光の中心は古くから鳥羽水族館やミキモト真珠島といった海の素材に集中。一方で、鳥羽の市街地には歴史建造物や文化財が多数点在している。そこで同実行委員会では地元の歴史素材として九鬼水軍をフィーチャー。観光客の市内周遊を促進しようと、鳥羽城三ノ丸広場でのイベントを開催企画した。飲食店や文化施設、土産物店で観光消費の増加を図り、新しい鳥羽の魅力発見の場を創出する考えだ。
そのイベント「九鬼水軍楽市」は10月28日に開催。九鬼水軍をテーマにしたマーケットで、10月の1カ月を鳥羽が盛り上がる月として設定されている「鳥羽の月」のフィナーレイベントの位置づけで実施する。
鳥羽城跡三ノ丸付近、旧中京銀行―トンネル付近を会場に「とば飯」やカフェ飯、地元の海産物や農水産物、雑貨店など多彩なブースが出展。忍者ショーや九鬼水軍太鼓の演奏などステージイベント、九鬼水軍鍋、鳥羽ボランティアの会による鳥羽城跡周辺のガイドツアー、イベント当日限定のプレミアム御城印やグッズの販売、九鬼嘉隆のパネル設置など盛りだくさんの内容だ。
実行委員会では今後、ARやVRを活用した鳥羽城の復元や九鬼嘉隆ゆかりの地マップの作成、嘉隆饅頭やクッキーの製作などの取り組みを予定している。
戦国時代最強の水軍大将とうたわれる九鬼嘉隆ゆかりの地は鳥羽城跡以外にも市内に点在。九鬼家菩提寺の常安寺は嘉隆のほか九鬼一族の墓、九鬼家の家紋入りの屋根瓦など見どころ十分。答志島は嘉隆が自害した地で、嘉隆の首、胴が別々の場所に首塚、胴塚として祀られている。
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