森・あわら市長に聞くあわら市観光 人数から消費額、満足度へ転換
周辺地域と連携し面的な賑わい
―あわら市観光の現状を教えてください。
21年の統計では本市に約109万人の観光客が訪れています。このうち、あわら温泉の宿泊客は38万7千人と、あわら市が誕生して最も厳しい結果となりました。22年は現在集計中で詳しいことはわかりませんが、若干持ち直したように聞いています。この結果から、まだまだ新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けており、今なお観光産業に大きな打撃をもたらしています。
この状況を受けて、20年度から22年度にかけて観光庁の補助事業などを活用し、宿泊施設や飲食店の改修工事や体験プランの造成、人材育成など、これまでの課題を目に見える形で加速度的に進めています。
これからは単に宿泊者数を追い求めるというよりお客様一人ひとりへ、より高付加価値な商品やサービスを提供することで、観光消費額とお客様の満足度を上げていくという視点に切り替えた観光施策に取り組んでいくことが大切だと思っています。
―市長が目指すあわら市観光とは。
あわら市には、今年開湯140周年を迎える「あわら温泉」をはじめ「北潟湖」「金津創作の森」「吉崎御坊跡」といった観光地があり、周辺市町には「東尋坊」や「永平寺」といった全国に誇れるスポットがたくさんあります。あわら市はそうした人気観光地へのアクセスが便利で、宿泊地として最適なロケーションです。県や市町とも連携しながら、賑わいを点から線、面へと広げて周遊性を高めることができればと考えています。
一方、国内では今後ますます人口減少が加速化し、歯止めが効かないことが予想されており、国内各地域が観光客の取り合いを行っても将来的には尻すぼみになることは目に見えています。その意味ではインバウンド需要を取り込んでいくことは重要です。
2025年に開催される大阪・関西万博など、インバウンド需要が高まる機会を逃すことなく、誘客のための戦略的なプロモーションや外国人対応ガイドの人材育成、統一的なサイン整備、免税店・キャッシュレス決済など総合的なインバウンドの受入の環境整備に取り組んでいきたいと考えています。
―北陸新幹線を見据え関東、関西からの誘客をどう捉えていますか。
これまでは関西・中京からのお客様が圧倒的に多いのが現状ですが、北陸新幹線芦原温泉駅の開業を機に、首都圏との距離がグッと縮まりますので、関西はもちろんのこと、首都圏や新幹線沿線エリアをメーンターゲットにして誘客につながる効果的な情報発信を強化します。
また県内観光の宿泊拠点である、あわら温泉を核にして観光コンテンツやSNS映えスポット、あわらの自然を活かした体験プログラムの造成など、観光資源の磨き上げに注力していきます。
―市長が思う、魅力的で他にはないあわら市の観光資源とは。
なんといっても「あわら温泉」が最も誇れる観光資源だと自負しています。県内随一の温泉地として、また「関西の奥座敷」として親しんでいただいています。温泉街には74本の源泉がありますが、それぞれの旅館が独自の源泉を持っており、旅館によって違った泉質や効能を楽しめることが特徴になっています。
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