観光業界専門紙「トラベルニュースat」おすすめ国内魅力再発見の旅

砥部焼の魅力を発信 女性作家「とべりて」

列車、旅館で採用 映画にも

四国で唯一の磁器の産地である愛媛県砥部町。町内では90軒以上の窯元が砥部焼づくりに励んでいる。

その砥部町で2013年に「女性目線で砥部焼の魅力を発信しよう」と結成されたのが「とべりて」(山田ひろみ代表=きよし窯)だ。砥部焼業界や地域を活性化したいとの思いで砥部焼女性作家7人が集まった。「とべりて」とは「『とべ』やきのつく『りて』」から名づけた。

とべりてのみなさんの作品はJR四国の観光列車「伊予灘ものがたり」で提供されるすべての器や道後温泉の旅館「ホテル葛城」のルームプレート、家具などに採用されている。女性に好まれるデザインや和のしつらえなどの演出。「ホテル花ゆづき」にはとべりての作品でコーヒーが楽しめる「とべりてカフェ」もある。愛媛県のゆるキャラ「みきゃんちゃん」と「ダークみきゃん」のピンバッジなども砥部焼で制作した。

11月3、4日には「秋の砥部焼まつり」が砥部町陶街道ゆとり公園で開かれ、窯元約70もの窯元が軒を並べる。音楽ライブや砥部焼のオークションのほか砥部焼の陶工らが対面販売を行い、作家との会話を楽しみながら器を見たり購入したりすることもできる。とべりての作家も参加しているので、ぜひ女性ならではの感性でつくられた砥部焼のやさしさに触れてほしい。

また、19年夏に公開される砥部町が舞台の映画「シンパシーライジング」で、メガホンをとったのは砥部町出身の映画監督、大森研一さん。映画実行委員会には「とべりて」のメンバーも入っており、撮影に協力している。

メンバーは「映画を見てもらって、砥部焼の魅力を全国の人たちに知ってほしい」と話している。

とべりて

「とべりて」の皆さん

とべりてに参加する作家は次の皆さん。山田ひろみ(きよし窯)▽白石久美(大西陶芸)▽佐賀しげみ(梅乃瀬窯)▽大西三千枝(大西陶芸)▽松田知美(すこし屋松田窯)▽郷田裕佳子(atelⅰerLUXE)▽中川久留美(陶房くるみ)=以上敬称略。

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