たたら文化圏の観光スポット(2) 加納美術館・奥出雲多根自然博物館
16/08/01
平和を紡ぐ芸術の館 加納美術館
安来市の加納美術館。加納莞蕾(かんらい)の絵画や、安来市出身の陶芸家・河井寛次郎や備前焼の人間国宝の茶碗を数多く所蔵するなど地元ゆかりの作家の作品を多く展示している。
同館を知るには、まず莞蕾の人となりを知っておきたい。同館を設立した加納溥基氏の父・莞蕾は平和へ奔走した人でもあった。フィリピンで投獄された旧日本軍戦犯の釈放に心血を注ぎ、全員釈放を完遂。当時のキリノ・フィリピン大統領との往復書簡は世界の平和を願ったものであり、以来、現代にいたるまでフィリピン・キリノ一族と深い交流が続いていることからも、その文書の崇高さと理念の高さが読み取れる。
往復書簡は現在、同館で莞蕾の作品とともに公開されている。
館内では呈茶体験ができるほか、食事処なども備わる。
恐竜出迎え「宿泊できるミュージアム」 奥出雲多根自然博物館
奥出雲町の山上、緑のなかに突如して現れる奥出雲多根自然博物館。「宇宙の進化と生命の歴史」をテーマに恐竜をはじめとする化石や鉱物を展示している。メガネ専門店「メガネの三城」の創立者、多根良尾氏の郷土愛を汲んで創設されたことでも知られる。
館内に入ると、まずはアロサウルスの骨格標本がお出迎え。ティラノサウルスやユウプロケファルスなど様々な恐竜たちの骨格に大人も子どもも好奇心が高まる。
もう1つの特徴が「宿泊できるミュージアム」。3階から上はホテルになっており、博物館と周囲の自然を楽しむのにもってこい。映画「ナイトミュージアム」を地でいく、特別な体験が家族客に好評だ。夜間、館内を学芸員が案内してくれることも。宿泊客は近隣の佐白温泉に入浴に行くのが定番だ。
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