壱岐対馬コラム 故郷愛あふれる島
15/10/06
観光客をあたたかく受け入れ
「まだ30分も経ってないのにもう到着?」
長崎空港を出発したORC壱岐便。25分ほどで眼下に緑の山、透き通る青い海、きらきら光る真っ白な砂浜が広がっていた。離島と聞いたら遠いイメージがあるが、実は近くに日本遺産に認定された2つの島があった。
島で感じたのは、島の人の故郷愛だ。壱岐交通バスガイドの伊佐藤由紀子さんは出会って2時間後に「もう敬語を使わずに、友達会話でいい?」。もちろん私たちはOKと答えた。「壱岐の人たちは壁がなくなるとおせっかいを超えるぐらい、なんでもしてあげたくなる性格なの」。
その言葉通り、あそこを見せたい、ここも紹介したいと、ガイドブックに紹介されていないような小ネタまで出てくる。彼女自身、壱岐のいろんなことに興味があるので島の歴史研究会や野鳥の会に入って、勉強している。島が好きだからこそ、島のことを少しでも知りたいと思うのだろう。
対馬観光物産協会の西護さんもまた島を愛する人だ。対馬の山々に登って自分の目で見ているからこそ、野鳥や花木のたくさんの知識を持っている。現在「トレッキングや砲台跡、歴史などに特化したガイドブックを作成中で、マニアックな人を離島に呼ぶアピールをしたい」とのこと。西さんはどの分野にも豊富な情報をお持ちで、いろいろな場所を説明してくださった。
2人に共通するのは、生まれ育った島が好きだからこそ、自分自身も島を詳しく知りたい、そしてそれをたくさんの人に知ってもらいたいと思う気持ちだ。私たちは故郷を二人のように深く説明できるだろうか。
古来、周辺諸国の人を受け入れてきたように、観光客をあたたかく受け入れてくれる壱岐と対馬。行くと故郷愛にあふれる島の人々との素敵な出会いがあると思う。
(九州観光旅館連絡会 大阪事務所 本田悠佳)
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