対馬に根付く悠久の歴史 "国境の島"ならではの史跡群(1)
15/10/06
元寇など深い歴史の跡
九州と韓国の間の対馬海峡に浮かぶ対馬。福岡・博多港まで航路で132キロ、韓国まで49.5キロに位置することから「国境の島」と呼ばれる。平地が少なく島の約89%が山地で、各地に原生林が残っている。
玄関口となる厳原港近くにある観光情報館「ふれあい処つしま」は今年5月にオープン。韓国語での対応も行う観光案内所や歴史、自然、野生動物を紹介する観光の間のほか特産品の販売もあり、対馬の観光拠点になっている。
周辺には対馬藩三代藩主・宗義真が築いた金石城の楼門を復元した「金石城跡」や「旧金石城庭園」がある。「長崎県立対馬歴史民俗資料館」は元寇対馬国絵図など江戸時代の資料展示が充実。江戸時代の対馬について広く学ぶことができる。
「万松院」は対馬藩主宗家一族の菩提寺で、日本三大墓所のひとつ。桃山様式の山門、徳川歴代将軍の位牌、朝鮮国王から贈られた三具足などが公開され、百雁木(ひゃくがんぎ)と呼ばれる132段の石段を登ったところにある歴代藩主の壮大な墓所も見どころ。
「お船江跡」は、対馬藩の御用船を係留した船だまり。1663年(寛文3年)に造成されたと伝わる。全国でもお船江を持つ藩は多いが原型を留める例は珍しく、近世史上の貴重な遺構。
また対馬で産出される板状の石を使った屋根で建てられた高床式倉庫「石屋根」も対馬でしか見ることができない貴重なもの。
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