日本紅茶発祥の地・山鹿 復刻紅茶を販売
14/12/15
まろやかで甘い味わい
山鹿市鹿北町の岳間(たけま)地域は、江戸時代から良質のお茶が取れる産地。肥後の藩主に愛され、年貢米の代わりに「岳間茶」として献上されていたといわれる。
その由緒あるお茶の産地・山鹿地域は、1875年(明治8年)に明治政府が日本で初めて紅茶伝習所を設置したところでもある。
良質なお茶どころである山鹿に着目した政府は、近代化社会の実現に必要な外貨を得るために紅茶の製造を奨励、紅茶伝習所を開設した。翌年には人吉市、3年後には阿蘇郡小国町にも開設し、紅茶生産の礎を築いた。一時期「肥後紅茶」は、紅茶の本場であるイギリスやロシアへも輸出していたという。
肥後紅茶=山鹿の紅茶はその後衰退し1961年以降途絶えたが2008年、地元の藤本製茶の藤本邦夫さんが「やまが復刻紅茶」として生産、販売を始めた。現在は4軒のお茶屋が生産に取り組んでいる。
山鹿の紅茶は渋みが少なく、まろやかな口当たりが特徴。ストレートで飲むのがおいしい。日本の気候風土はインドやスリランカより紫外線が弱く、茶葉自体に苦味や渋みの元であるタンニンが少ないため、まろやかで甘い味わいとなるそうだ。日本の軟水も風味を引き立てるのに一役買っているのだという。
やまが復刻紅茶は山鹿市内のカフェやホテルで飲むことができる。老舗旅館の清流荘ではラウンジで提供。平井英智専務は「ご宿泊のお客様にお出ししていますが、喜んでいただいています」。
15年は紅茶伝習所が山鹿に設置されて140年。これまで以上に復刻紅茶を提供する店舗が増えることだろう。ぜひ復刻紅茶を味わいに山鹿へ出かけたい。
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