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耳をすまし自然と出会う-上高地を歩く 穂高連峰眺め大正池から明神へ(1)

上高地に来たのなら、歩こう

沢渡駐車場エリアから乗ったバスは、10分ほどで長野県松本市と岐阜県高山市を結ぶ国道158号線を右折し、釜トンネルに入る。釜トンネルから先は、一般車両の通行が通年で規制されている。トンネルを抜けると左側に焼岳が見え、間もなく大正池に着く。

ここから梓川沿いに最奥部の横尾まで続く約10キロ、最大幅1キロの広い渓谷が上高地だ。大正池から横尾までの全行程はほぼ平坦で、遊歩道がよく整備され、横尾から先は、涸沢から穂高連峰へと、登山者の領域へとつながっている。

標高1500メートル、日本を代表する山岳高原リゾート上高地。上高地ビジターセンターに尋ねると、日本列島を猛暑が襲った昨年夏、上高地の最高気温は27度と、30度を超える日はなかった。それも日中のこと、朝夕は涼しさを満喫できる。

バス終点のバスターミナルまで行けば、そこから梓川沿いに河童橋までは徒歩10分ほど。河童橋越しの穂高連峰を写真に収め、カフェに寄り、お土産を買って帰るのもいいだろう。最近、河童橋たもとには、穂高連峰を正面に望む絶景のテラスカフェもできている。

河童橋

梓川に架かる河童橋と残雪の穂高連峰

でも、歩く。上高地に来たのなら、歩こう。大正池でバスを降り、大正池畔まで降りる。1915年の焼岳の噴火で梓川が堰き止められてできた大正池。初めて訪れた30年ほど前には、池の中に立ち枯れた木がたくさん残っていたような気がするけど、古い写真からのすり込みかもしれない。

池の縁に沿った木道を歩く。ここではイワナをよく見かける。大正池を後に遊歩道は林間に入る。ふと、野鳥の鳴き声がたくさん聞こえているのに気づいて、足を止める。清流にかかる橋を渡るときにも足を止めて、今度は水流の音を聞いてみる。集中すると水の音はけっこう大きい。

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