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祖父江の秋はイチョウと極楽浄土

黄金色に染まる 11月19-27日は黄葉まつり

まちなかに1万本以上のイチョウの木が立つ稲沢市祖父江町の秋の恒例行事といえば、「そぶえイチョウ黄葉まつり」だ。例年10万人以上が来訪する一大イベントで、今年は11月19―27日に開かれる。色づいたイチョウで美しい風景と多彩な催しで、まちは黄金色に輝く。

まつりは、祖父江町体育館と、名鉄尾西線・山崎駅周辺が主会場。祖父江町体育館は11月19日に歌謡やヒーローキャラクターなどのショーや「あいち戦国姫隊」の踊りやハワイアンダンスなどが催され、会場を盛り上げる。そのほか、木工、小物作り体験やもちつき、アユのつかみどりなど盛りだくさん。

山崎会場では期間中、写真コンテストや写生大会、イチョウ林セラピーウオーキング、人力車に乗ってのイチョウ散策ツアーなどイチョウを楽しむメニューが並ぶ。ギンナンの試食やものまねショー、よさこい鳴子踊りなど多彩な企画も催される。

祖父江のイチョウは、北西から吹き付ける季節風「伊吹おろし」から家屋の屋根を守るため、江戸時代に神社仏閣や屋敷の周囲に植えたのが始まりといわれる。

まちなかの1万本のイチョウのなかには樹齢200年を超えるイチョウの大木が約1千本も。さらに「屋敷ギンナン」と言われる祖父江のギンナンは日本一の出荷量を誇るなど、祖父江は「イチョウのまち」として知られている。

善光寺東海別院名物「戒壇めぐり」と「絵解き法話」

秋はイチョウ輝く祖父江で、輝く極楽浄土を拝観―。稲沢市祖父江町の善光寺東海別院は、明治時代に信州善光寺から「善光寺如来」の分身を迎えて創立された、祖父江を代表する名刹。「極楽浄土をこの世で拝める」寺として親しまれているが、そのわけは―。

同寺の名物「戒壇めぐり」がその答え。念仏を称えながら瑠璃壇の下の暗闇を回ることで善光寺如来と縁を結び、善根を得るとするものだが、本尊の善光寺如来の真下に広がる空間が極楽浄土のありさまを再現しているのだ。

中央に阿弥陀如来、観世音菩薩、勢至菩薩、十六観菩薩が安置され、宝樹、宮殿楼閣、宝池には五色の蓮華を配置。さらに頭上には迦陸頻伽、共命鳥が舞う。極楽を想起させる音楽が流れるこの華やかな空間を歩けば、多くの参拝者が「ここが極楽浄土か」と感嘆するのもうなずける。

拝観料は大人300円、小人150円。

また、善光寺如来の縁起を綴った絵軸を解説する「絵解き」法話も。明治末に開基した林旭住上人が始めて以来続いてきたもので、一時途絶えたこともあったが、残った資料を参考に現在は復活している。今では珍しい節談説教は必聴もの。

善光寺東海別院

節談説教は
ぜひ聴きたい

東海別院では本堂もじっくり見物したい。善光寺特有の撞木造りで総檜による大伽藍。信州善光寺本堂の約3分の2の大きさで荘厳な雰囲気を放つ。

問い合わせは、同院 電話0587―97―0043。

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