観光業界専門紙「トラベルニュースat」おすすめ国内魅力再発見の旅

愛知の醸造業・伝統産業 岡崎で触れる匠の技

銘酒と八丁味噌 工場見学で神髄間近に

愛知県は昔から酒や味噌など醸造業が盛ん。良質な水と豊潤な海の恵みを背景に発展し、その技術と伝統は熟成に熟成を重ねながら現代に受け継がれている。各蔵元では工場見学を受け入れており、名品を生み出す技術の神髄に触れられる。

岡崎市の丸石醸造は江戸元禄期に創業された酒造。岡崎の良質な水を使った酒は、まろやかで上品な味わいと地元を中心に愛されてきた。

岡崎出身の大将軍の名をつけた大吟醸「徳川家康」は、近年は全国新酒鑑評会で金賞を受賞し続けるなどその名に違わない実力を誇る銘酒。「魅惑シリーズ」と名付けたリキュールも売り出し中で、梅酒、ミカン、マンゴー、ブルーベリー、モモとそれぞれフルーティーな味わいが楽しめる。

蔵内の見学は、所要時間30分で仕込み工程の説明を受けられる。仕込み時期にはもろみの風景も。きき酒もでき、新鮮な味わいを堪能したい。見学時間は10―16時。大型駐車場も完備している。見学希望は、電話0564―23―3333まで事前に連絡を。

丸石醸造

丸石醸造できき酒

愛知で味噌といえば、八丁味噌。独特の赤みとコクが特徴の豆味噌で、戦国時代は三河武士の体力を支え、今も愛知の食文化を支えている。近年は味噌カツや味噌煮込みうどんなど名古屋グルメ人気もあり、全国的な人気を誇る。

岡崎市のカクキュー八丁味噌は、江戸時代から続く伝統の味噌の蔵元。近隣の「まるや八丁味噌」と並んで日本一古い味噌会社とされている。三十石桶という高さ1.8メートル、直径2メートルの木桶で2回の夏と冬を越えて熟成させるという昔ながらの手法で生産。6トンの味噌に、ふたの上に3トンの石積みをして作るという巨大なスケールだ。

同社の「八丁味噌の郷」では製造工程が見学できるほか、明治建造の旧味噌蔵を使った史料館で八丁味噌の歴史や製法が学べる。伝統と技術の粋を間近で。見学は9時30分からで、平日は15時30分まで、1時間コースで要予約。土日祝日は16時まで、30分コースで店頭で申し込む。問い合わせは、電話0564―21―1355。

伝統受け継ぐ「匠の会」

緑と水が豊かな岡崎市は昔から多くの伝統技術が受け継がれてきた。この匠の技を次世代に伝承しようと結成されたのが「おかざき匠の会」。多彩な分野の工芸師たちが技術の革新に挑戦し続けている。

同会は2001年に結成され、昨年の時点で会員数は48。味噌醸造、石材加工、和ろうそく、矢、和太鼓、仏壇彫刻など幅広い分野の会員が活動している。県内・市内でのイベントなどを中心に普及・伝承に取り組んでいる。

味噌醸造のカクキュー八丁味噌は江戸時代から続く伝統の製法を今に伝える。三浦太鼓店は市内唯一の和太鼓専門店で、こだわりの音を追求。小山矢では明治3年から受け継いだ技法で竹矢を作り続けている。岡崎の伝統文化の1つ、和ろうそくは磯部ろうそく店が手作りで。石材加工も岡崎の歴史を物語り、上新石材店では石の灯りも制作している。

愛知 旅のおすすめサイト

購読申し込み
夕陽と語らいの宿ネットワーク
まちづくり観光研究所
地旅
関西から文化力
トラベルニュースは
文化庁が提唱する
「関西元気文化圏」の
パートナーメディアです。
九観どっとねっと
ページ
トップへ