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暮らしに根付く歴史の物語-和歌山の日本遺産(2) 醤油醸造・捕鯨文化

「最初の一滴」醤油醸造の発祥の地 紀州湯浅(湯浅町)

紀州湯浅といえば、今も続く醤油の産地。中世に中国から伝わった味噌から醤油を生み、地域の産業として生活の奥深くにまで浸透している。湯浅の歴史は醤油の歴史。町並みに、暮らしに、醤油づくりへの矜持を感じさせる。

紀州湯浅醤油

湯浅では今も昔ながら
の醤油醸造を受け継ぐ

町並みは醤油蔵を中心に、重厚な瓦葺の屋根と繊細な格子が際立つ町家や白壁の土蔵が建ち並ぶ、いわゆる伝建地区。まちを歩くだけで濃厚な醤油の香りと伝統の風景に、このまちの暮らしそのものが伝わってくるのだ。

鯨とともに生きる(新宮市、那智勝浦町、太地町、串本町)

雄大な大海原に臨む和歌山県・熊野灘沿岸地域では江戸時代以降、捕鯨文化が根付いている。今も当時の捕鯨を物語る風景が残り、祭事や芸能、食に捕鯨とともに生きてきた地域文化が息づく。「水の国」を標ぼうする和歌山県を知るには欠かせない風土といえる。

この地では古来は神として崇めた鯨に感謝しながらも、江戸時代に捕鯨の道を歩み、地場産業として発展。今も捕鯨がもたらした文化とともに地域は暮らしを営んでいる。

太地町には捕鯨の祖である和田頼元の墓がある。この地で古式捕鯨を始めた頼元の存在を知らせる貴重なスポット。新宮市の三輪崎の鯨踊は、古式捕鯨時代の大漁祭りを起源としたもので、踊りを通して捕鯨の風景を伝えている。

鯨踊

新宮市の三輪崎の鯨踊は
捕鯨文化を伝える伝統行事

串本町の河内祭の御舟行事は国の重要無形民俗文化財にも指定。祭りのハイライトである舟渡御に登場する装飾された鯨船は、かつて捕鯨が地域の重要産業だったことを教えてくれる。7月21、22日に執り行われる。

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