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長野木曽 伊那―高山結ぶ桜紀行の拠点

トンネル開通で便利に「プラチナルート」

雄大な御嶽山の麓に抱かれた長野県木曽町にも、花々の開花で春がやってくる。昨年春の国道361号線「高根トンネル」の開通で岐阜県高山市とのアクセスが向上、高山・木曽・伊那の観光ルートの確立で活性化に拍車がかかる。山のまちならではの春を楽しみに木曽へ出かけたい。

急カーブの連続で大型バス運行規制区間の片側通行のトンネルが続くなど“交通の難所”を解消させた高根トンネルは、高山から木曽・伊那まで従来より10分短縮、観光バス利用も可能にさせるなど、観光面での効果は大きく、地元での期待度は高い。

木曽町観光協会では飛騨路―木曽路―伊那路を結ぶルートを周遊型の「プラチナルート」として訪日外国人も含め観光商品化しようと取り組みを推進している。木曽と高山を結ぶ観光シャトルタクシーを商品化したほか、信州DCでは旅行会社各社がツアー化。今後も北アルプスから御嶽山、乗鞍岳、中央アルプスを望む景観の良さを武器に、首都圏や中京圏・北陸からの周遊ルートとして旅行会社に商品化を提案していく。

また、木曽町では2014年9月の御嶽山噴火が記憶に新しい。観光面での打撃は大きかったが、火山を学び伝える「火山マイスター養成」の基礎講習をスタート。ビジターセンターの建設や、山頂に一番近い二ノ池本館建設も今年度中に行い、防災機能を持つ施設になる。これらが完成すると山頂登山ができるようになるが、本格的には2―3年かかる見込みということで、その時を楽しみに待とう。

そして、迎える春。木曽の桜は見どころが多い。地元の英雄・木曽義仲と妻・巴御前ら一族の菩提寺である徳音寺では4月下旬―5月上旬に境内の桜が満開に。中山道の宿場町、木曽福島では木曽氏の菩提寺である興禅寺に義仲お手植えの「時雨桜」の2代目があり、幽玄かつ鮮烈な春の美を伝えてくれる。4月中旬―下旬が見ごろで、例年夜間ライトアップも。宿場町特有の古い町並みもあわせて春のまち歩きを楽しみたい。

木曽義仲お手植え時雨桜

木曽福島・興禅寺に行けば
木曽義仲お手植え「時雨桜」

伊那のローメンや木曽のそば、高山のラーメンという名物から「山麓一の麺街道」と打ち出した国道361号線の観光ルートでは、伊那市の高遠城址公園の桜、木曽町の銘木、高山市朝日町の名桜と桜の名所が連なる。4月中旬からゴールデンウイークにかけて見ごろを迎え、桜紀行が楽しめる。

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