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日本遺産「国境の島・壱岐」(1) 大陸との交流の歴史―古代ロマン漂う

「国境の島 壱岐・対馬・五島―古代からの架け橋」 壱岐市内に10件の構成文化財

地域の文化財をまとめ、その風土のストーリーを認定することで観光振興につなげる文化庁の「日本遺産」。長崎県・壱岐はこの制度が始まった2015年度、いち早く「国境の島 壱岐・対馬・五島―古代からの架け橋」として認定を受けた。古代から大陸との交流の拠点として、国境に位置する地として繁栄し、今もその歴史を伝える遺産や文化が根付く。小さい島に凝縮された歴史の深さ。壱岐を旅すれば、それだけで古代ロマンに身を委ねることができるだろう。

島国・日本にとって古代、大陸との交流の窓口となったのが、その中間に位置する現在の長崎県の島々だった。壱岐をはじめとする島々は古代から、日本と大陸を結ぶ海上交通の要衝という役割を担い、交易・交流の拠点として栄えた。日本では弥生時代、中国・三国時代の「魏志倭人伝」にも「一支国(いきこく)」、すなわち壱岐が交易の中心地として登場することでも明らか。なかでも朝鮮半島との関係は深く、壱岐は海上交易で繁栄し、中世以降に朝鮮王朝との貿易と外交実務を独占した対馬には今もその歴史が残る。

また、壱岐をはじめとする島々は「国境の島」であることから、国防の最前線としての役割も果たすなど、大陸との「融和」と「衝突」の歴史を紡いできた。これら現代にいたるまで国レベルだけでなく民レベルでも続いてきた大陸各地との交流、そして深い絆こそが壱岐・日本遺産のストーリーだ。

日本遺産のストーリーを構成する文化財は全部で27件。そのうち壱岐市には原の辻遺跡、同出土品、壱岐古墳群、笹塚古墳出土品、双六古墳出土品、勝本城跡、内海湾、岳ノ辻、カラカミ遺跡、生池城跡の10件が含まれている。

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