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地域に根づく「たたら」学ぶ 和鋼博物館で全体像を知る/安来

日本遺産の奥深さ追求 国重文「天秤ふいご」も

2016年4月、日本遺産に認定された「出雲國たたら風土記 鉄づくり千年が生んだ物語」。島根県安来市と奥出雲町、雲南市の3市町で日本の伝統的製法である「たたら」という固有の文化とそのストーリー性が評価され、認定されたものだ。

たたらの物語は、この地域に今も深く根づく。たたら製鉄の原料となる砂鉄を採取した跡地は今、広大な田畑となり、全国に知られる「仁多米」や「出雲そば」が育まれ、鉄の交易によって各地の船頭が歌う民謡が有名な「安来節」の形成に影響を与えた。

こういった「たたら」文化を背景にこの地域を訪れると、島根の旅の魅力がより深まる。その概要を知り、たたらの旅のガイダンスにぴったりなのが安来市の総合博物館「和鋼博物館」。奥出雲エリアの玄関口にあたり、ここでたたらを学んでから地域を周遊したい。

館内では国の重要有形民俗文化財に指定される「たたらによる和鋼生産用具」や映像、体験コーナーなどを通して、生産技術や流通経路、神秘的な輝きを放つ日本刀を紹介している。なかでも独創的な送風装置「天秤ふいご」は、国の重要有形文化財に指定されており見ものだ。ミュージアムショップではヤスキハガネ製の包丁やナイフを販売している。

和鋼博物館

たたら製鉄に使った道具などを
展示している和鋼博物館の館内

たたら製鉄の積出港として栄えた安来港や、今も「ヤスキハガネ」を生産する日立金属安来製作所にも近い。たたらを感じる導入部としてぜひ、立ち寄りたい。

開館は9―17時、水曜日休み。一般300円。

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