これだけは食べて隠岐たい(2) さざえ丼
磯を食らう!サザエをドーンと
その代表格が「さざえ丼(ドーン)」だ。岩礁地帯が多く至るところで獲れる隠岐のサザエは、豊富な海草、特にアラメを食べて育つため、特に味わい深いと人気がある。海士町の島おこしで全国区になった「島じゃ常識!さざえカレー」に続けとばかり、現在複数の店で売り出している。
さざえ丼は、島後の北東部にある食事施設さざえ村で生まれた。さざえ村の助役、菊地政文さんによると10年ほど前に考案したそうだ。親子丼の鶏肉のかわりに小さく刻んだサザエを入れた。ダシは隠岐の特産アゴ(トビウオ)からとった。
海水浴場を目の前に見ながらいただいた。コリコリしたサザエの食感がうれしい。海から吹く風もあって、口のなかに磯の香りが広がる。
西ノ島の別府港に近いレストランコンセーユのさざえ丼は、また趣が異なる。細かく刻んだサザエとアラメが白飯の上にテンコ盛りで、1人前でサザエ3個を使うという贅沢さ。サザエの下には粘りのあるメカブ(ワカメの新芽)も隠れ、中央には半熟玉子がのっている。
店主の小西昭枝さんは「新鮮なサザエならではの肝の美味しさも含め、お肉に負けない食べ応えを楽しんでください」。
では、早速にいただく。アラメと一緒に特製のダシでじっくり煮込んだサザエは柔らかく食べやすい。半熟玉子を溶きほぐしサジでパクパク。サザエと海草の具材が絡み合い飯との相性がひじょうによろしい。一気に平らげてしまった。
飯粒一つ残さず食べると、丼の底からサザエの絵が現れた。ふたの裏を見るとサザエを高々と掲げた人も描かれている。これは、隠岐の伝統漁法で「かなぎ漁」の姿。箱メガネをかけ長いもりでサザエを突いて獲る。絵とともに丼には漁の説明も書いてあった。この丼は、さざえ丼専用のもので、隠岐の有志でつくる「ご島地グルメ実行委員会」が制作した。
「食べて、見て、読んで隠岐のサザエを味わってください」と同委員会の春木勇人さん。春木さんによると近々、別の店でもさざえ丼がお目見えする予定だそうだ。
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