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全県で「朝ごはんプロジェクト」 女将推薦の街なかランチも

食べてみたくなるおかずで各温泉地が勝負

秋は収穫の季節。新潟の秋の観光キャンペーン「大収穫祭」が「うまさぎっしり新潟」へと衣替えして今年で3年。新潟の食の魅力である米、酒、魚(肴)にフォーカスした取り組みはバリエーションを増し、そこに足を運ぶ価値のある物語性を付け加え、さらには規模も大きいことで旅行商品としての売りやすさにも磨きがかかっている。

新潟のおいしいコシヒカリを、その土地の水で炊き、その土地で採れた食材でつくったおかずで食べてもらう「にいがた朝ごはんプロジェクト」。新潟県の13の温泉地の115軒の旅館ホテルが取り組んでいる。

決めごとは、新潟県内産のコシヒカリを使用することと、各旅館が各温泉地ごとに共通のおかずを提供すること。ただし共通のおかずの調理法や提供の仕方、共通のおかず以外に何を出すかは各旅館に任せることで、オリジナリティも尊重している。

おかずには伝統食あり、プロジェクトで開発した伝統食の組み合わせあり、地元産の蒸し野菜やイカの刺身ありと、食べてみたくなる朝ごはんがそろった。

例えば、えちごせきかわ温泉郷では、米粉のスティック入り「まんま汁」を開発。月岡温泉は自慢の地場産野菜をおいしく見栄えよく調理した蒸し野菜の盛り合わせで提供。岩室温泉の大根からし巻はまさに地元食、鵜の浜温泉のメギス天日干しの炙り焼きは、日本海の風景と潮風のなかで食べてこその納得感がある。

今回の秋の朝ごはんは11月末まで提供し、来年4月以降は春夏秋冬、通年で地域共通の朝ごはん提供を目指す。

また、新たに開発したおかずを「にいがたごはんの素」として商品化し販売しているのも、朝ごはんプロジェクトの一部。すでに6つが商品化され販売され、旅館の売店などに並ぶ。今後13温泉地すべての朝食プロジェクトが商品化される。

朝ごはんプロジェクトを主催する新潟県旅館組合青年部の高橋五輪夫・青年部長(越後湯沢温泉・雪国の宿高半)は、「旅館が地域とともに、地域の食のブランドをつくりあげる取り組みです」と話し、継続性を強調する。

新潟県旅館組合青年部

新潟県旅館組合青年部の皆さん。
気合を入れてとっておきの朝ごはんを提供してくれる

新潟での食の仕上げは、うまいランチとなる。

「出かけた先の食を印象づけるのは、最後の食ではないでしょうか」と話すのは、新潟県観光部の渋武容観光局長。外れのないランチ選びに、舌の肥えた旅館女将のアドバイスがあればと企画されたのが、2食付き宿泊に1千円のランチクーポンがついた「とっておきの宿泊プラン」。

参加旅館は上中下越・佐渡と県全域の37軒。各宿の女将が温泉街や街中で推薦するランチ店は95軒。複数の女将が推薦したランチ店なら、さらにうまさの確度は高そうだ。ランチクーポンは3日間有効で、宿泊エリア以外でも使用できる。

食材を全県規模で調査 安全の監視、情報公開を徹底

新潟県では、食を前面に出し「うまさぎっしり新潟」をアピールする一方で、食について放射線に関する監視、情報公開、情報発信に力をいれている。空間線量に加え、米、農産物、乳・乳製品、食肉、鶏卵、水産物を毎日もしくは定期的に検査し、結果を新潟県のHPで毎日公表している。

例えば、9月14日には新潟の食を代表する米についての検査結果を公表。県内28市町村の57点(早生44点、コシヒカリ13点)で検査した結果、放射性セシウムは検出されなかった。これらは英語、韓国語、中国語、ロシア語でも掲載している。

新潟県観光協会でも8月に市町村観光協会や新潟県旅館ホテル組合などを通じ、事業者がこうした食材等の安全に関する情報を積極的に収集・発信するよう文書で求めている。

新潟県産の農産物などからはこれまで放射性セシウムなどは検出されていない。

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