笑って元気になれる出石町 歴史ある芝居小屋で体験企画/豊岡
舞台は出石永楽館 落語でまちを元気に
但馬の小京都・出石町で「笑いで元気なまち」を掲げたユニークな取り組みが行われている。住民主体の団体が2017年10月からスタートした団体向け落語体験プラン「笑いで楽しむ芝居小屋」がそれ。団体予約が入れば随時公演するもので、出石観光の一環として旅行会社に利用を呼びかけている。
会場となるのは1901年に開館した近畿で最古の芝居小屋「出石永楽館」。かつては歌舞伎や演劇などが上演され、但馬の大衆文化の中心として栄えていたが、1964年に一時閉館していた。その後、約20年にわたる復元に向けた活動により、2008年に大改修し再興した。
11年には、出石町の活性化と永楽館利用促進の取り組みとして「笑いで町を元気にしたい」をコンセプトに、地元のそば屋や米穀店、設備会社、出石焼陶芸家、居酒屋店主ら10人が「出石落語笑学校」を発足。落語のアマチュア選手権で入賞経験のある町民を指導役に稽古を重ね、永楽館で落語発表会を行うようになった。さらに地元の敬老会や落語を学んだ子どもたちが発表会に参加し「素人落語名人会」や「全国子ども落語大会」など様々な落語公演を開催するまで活動が広がった。今は毎年3月に「永楽寄席 わいわい亭」を定期公演している。
落語が出石に浸透し「笑いで町を元気」する状況ができたことで、笑いで元気を観光客に“おすそわけ”しようという思いから始まったのが体験プラン「笑いで楽しむ芝居小屋」だ。
プランは、永楽館の館内見学と説明に加え、落語を聞いて所要時間は40―60分。最少30人から最大200人まで対応できる。利用料金は1人600円(税込)。要予約。旅行会社がツアーに組む込む場合、最少催行人員が30人なので、1万8千円が必要。手数料の支払いもある。
出石町には年間約80万人の観光客が訪れ、永楽館の施設見学者は2万5千人。そのうち落語プラン参加者は約6千人を数える。中四国や近畿、中部から10社の中小旅行会社から送客がある。地元の素人が落語を行うということで、期待せずに来た観光客も「楽しかった。結構上手だ。施設の見学もできてよかった」と好評。団体客減少の対策にも一役買っている。
永楽館の赤浦毅館長は「落語の聖地と言われるよう頑張りたいとは思います。これまで通り町民ファーストで観光客におすそわけする事業に取り組んでいきます」と話している。
プランの問い合わせは電話0796―52―5300。
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