開通50年・今も変わらぬ観光道路の魅力
バス会社おすすめポイント1位は 阿蘇五岳と瀬の本高原
別府―阿蘇を結ぶやまなみハイウェイが開通して今年で50年を迎えた。高原や林道、くじゅう連山、阿蘇五岳などさまざまな景色に出会うことがこのハイウェイの見どころだ。
50年前といえばまだ全国的にも舗装された道が少なかったなかで、50キロにもわたる舗装されたハイウェイは人々を魅了したに違いない。
ハイウェイ開通の翌年、瀬の本バスセンター竣工式に訪れた当時の寺本広作・熊本県知事は次のように話している。
「東に九重を、南に祖母傾の連山、西に阿蘇の五岳を望める、三山一望のこの瀬の本高原は、本県の観光地の中でも最も有望視されているもののひとつである。(中略)瀬の本の発展は南小国村の発展であり、ひいては本県の発展にもつながるものであり、県としても協力を惜しまないつもりでいる」
当時の知事が瀬の本高原を訪れた時期は、三愛レストハウスが完成したときであり、「このレストハウスの完成が観光開発の第一段階で意義深い」とも話しており、やまなみハイウェイと三愛レストハウスに対する期待度が感じ取れる。
実際、今でもやまなみハイウェイにおける瀬の本高原の位置づけは高い。ものの1時間もここにいれば、バスや車、バイクの往来がどれくらい多いかがわかるというものだ。やまなみハイウェイを走るドライバーや乗客のオアシスといっても過言ではないと思える。
そこで九州のバス会社の乗務員、営業担当者10人(複数回答)にやまなみハイウェイでお勧めのポイントを聞いてみた。
1位は「大分方面から牧ノ戸峠を越えて見える阿蘇五岳と瀬の本高原の景色」が7票。10人中7人がお勧めポイントとして挙げ、圧倒的な支持を得た。
あるバスガイドによると「このポイントで阿蘇が見え始め、『火の国慕情』を歌い出します」ということだった。
2位は「タデ原湿原や直線が続く長者原の風景」が4票。この風景を選んだ営業担当者は「よくプライベートでもドライブに行き、とても気持ちがよかった」。
3位は「大石原から抜けて景観が広がる朝日台」が3票。ここを選んだバスガイドは「朝日台にあるレストハウスのコーヒーやソフトクリームがおいしい」ことも評価につながった、と付け加えた。
このほか、北海道の地平線に沈む夕陽のようだということで「瀬の本高原の草原に沈む夕陽」、昔からやまなみの休憩ポイントなのでホッとするという理由で「赤い三角屋根の三愛レストハウス」。
昔は2つ並んだ湖があり、ホテルもリゾートのような雰囲気が好きだった。しかし今は樹木で覆われて見えなくなって残念という「山下の池と小田の池」などが挙がっている。
このアンケートを見ても瀬の本高原のファンが多く、峠から見える景観に魅了されていることがわかる。これは開通して50年経っても変わらない、昔から現在に続く真実だ。