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唐津コラム 初めてなのに安らぐ

温かい人々との触れ合い

唐津は、初めて訪れる場所でありながら、田舎へ帰ってきたような温かさと安らぎを与えてくれる。そういう気持ちになるのは、景色もそうだが、やはり温かい人々がたくさんいるからだろう。

旅の醍醐味とは、人との触れ合いではないだろうか。Google Earthなどで世界中の景色を簡単に見ることができ、それで旅行に行った気分になるとさえ言われている時代だ。景色を見ること=観光ではない。高揚感を胸にその地へ赴き風や温度を感じる。そして地元の人と触れ合い、何気ない会話の中で生の声を聞き、考え方や現状を知る。写真やパンフレットだけでは理解できないものがそこにはある。気持ちの高まりや触れ合いの中で感じる温かさが大事なのではないか。それこそが観光と私は思う。

実際、呼子朝市をはじめ様々な方との触れ合いの中で温かさを感じた。どなたも親戚のように気さくに話しかけてくれ、包み込んでくれた。食事先で出会った一人旅のカナダ人が日本の美しさに感動しまた訪れたいと話していたことも、実際に来て本来の美しさに出会ったからだと感じた。

130以上あるとされる名護屋城周辺陣跡は、日本中どこから来てもほとんどの人が故郷の大名の陣跡に巡り合える。どこか懐かしさを感じることができるのは、もしかすると故郷の大名の足跡・面影が残るからなのだろうか。

ここ唐津には万人を受け入れてくれる温もりと優しさがある。そして私たちが忘れかけていた大切なものを思い起こさせてくれるものもあるだろう。

(九観連大阪事務所・長富彩)

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