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町屋が舞台の観光/村上

秋は屏風、春は雛祭り 冬は「鮭塩引き街道」

町屋を舞台に、住民と観光客が交流を図る。そんな観光スタイルが歴史ある城下町村上には定着している。

町屋とは間口が狭く、奥行きが50―70メートルもある商家のこと。村上市街には町屋が並ぶ家並み、黒塀の旧町人町、石垣が続く旧武家町が、往時の面影を残したままに、よく保存されている。9月15日から、旧町人町一帯で町屋のお店や個人宅を会場とした、第15回「町屋の屏風まつり」が始まった。10月15日まで行われる。

各家に伝わる屏風やお道具を茶の間など居住スペースに飾ってもらい、観光客は、それらを無料で見学させてもらう。江戸時代からの屏風が数多く残る古い城下町、村上ならではの催しと言える。町屋の主が、村上や町屋の歴史、屏風にまつわる話など、自ら見学者に説明してくれることもある。

普段は道路に面した商店の部分しか見ることができない町屋の奥を垣間見ることで、町屋の文化的価値や、町屋での生活を知る機会にもなる。屏風まつりには、半径2キロ程度のエリアで町屋など67軒が参加している。

町屋の屏風まつり

往時の暮らしぶりが伝わる
「町屋の屏風まつり」

冬に入ると、同じ市街地に「越後村上鮭塩引き街道」が出現する。毎年12月1日から20日まで行われる冬の風物詩は、村上とは切っても切れない冬の食、鮭が主役。塩引きした鮭を軒下に吊るし寒風にさらす、昔からの加工法。軒下に鮭が下がる家並みの連なりは、まさにこの地方独特のものだ。

そして早春。今度は3月から4月にかけて「町屋の人形さま巡り」が催される。各商家に伝わる雛人形など数千体をそれぞれの町屋で展示する。城下町村上のまち歩きイベントとしては最も古く、後のイベントにもつながっただけでなく、全国の地域観光にも大きな影響を与えた。

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